中共 企業への税務調査を強化 土地収入減で地方財政の穴埋めか

2026/06/01 更新: 2026/06/01

中国の土地使用権の売却収入に依存する「土地財政」は引き続き縮小している。中国共産党(中共)の地方政府は財政不足を補うための動きを強めている。複数の企業経営者や財税関係者は大紀元に対し、今年に入ってから、企業の過去の帳簿、領収書、資金の流れ、雇用記録に対する調査が一段と厳しくなっていると語った。

中共当局は、中小企業への税務調査を通じて、すでに数千億元規模の財政収入を得た可能性がある。当局はその効果を実感し、すでに「やめられなくなっている」という。

が5月20日に発表した2026年1〜4月の財政収支データによると、全国の一般公共予算収入は前年同期比3.5%増だった。このうち、非税収入は同13%増加した。

一方、同じ期間の全国政府性基金予算収入は1兆208億元で、前年同期比18.9%減少した。地方政府性基金予算の本級収入は8717億元で、同22.1%減だった。このうち、国有土地使用権の譲渡収入は6801億元で、同27.2%減少した。

土地収入が減少 非税収入は増加

中共体制内の人物である王充氏(仮名)は記者に対し、これらのデータは、中共の地方財政が単に収入減に直面しているだけでなく、収入構造そのものが変化していることを示していると述べた。

王氏によると、土地譲渡収入が縮小し続けるなか、地方政府は税務調査、追徴、罰金・没収、非税収入によって財政不足を補おうとしているという。

「彼らはいま、金に困っている。各地で税務調査を行い、罰金を科している。上がやれば下もまねをし、取れるだけ取ろうとしている」

王氏はさらに、ここ数か月、税務部門が税務調査、追徴課税、未納分の徴収、罰金によって財政収入を増やしていると指摘した。外部から全体の数字は確認できないものの、その規模はすでに数千億元に達している可能性があるという。

「税務調査や追徴は、すぐに効果が出る。罰金や非税収入も地方財政の穴埋めになる。彼らは一度うまみを知ってしまい、やめられなくなっている。下半期も調査は続くだろう。止めるのは難しい」

江西省上饒市の民営企業経営者である劉さんは、記者に対し、税務調査は民間企業の頭上に突きつけられた刃のような存在になっていると語った。

「いま税務局は企業の過去5年分の帳簿を調べている。これほど景気が悪いなかで、このような税務調査を行うのは、明らかに税収を増やすためだ。多くの企業はすでに注文も取れない。そこへこうした調査を続ければ、企業を追い詰めるだけだ。企業が操業停止に追い込まれれば、当局はさらに金を取れなくなる。これは目先の利益のために将来を犠牲にするやり方だ」

税務調査や罰金で財源確保へ

4月24日、中共税務総局は領収書のコンプライアンスに関するQ&Aを公表し、領収書の発行主体、実際の取引、契約、資金の流れ、領収書の流れが一致している必要があると強調した。天津市税務局は2月、2026年度の税務調査の抽出検査計画を公表した。調査対象には、企業納税者、非企業納税者、源泉徴収義務者が含まれる。

5月22日、中共税務部門は、個人口座で代金を受け取って脱税したとする8件を一斉に公表した。このうち一部の案件は、2019年や2020年までさかのぼっていた。

国家税務総局は同日、青海省の大柴旦和信科技有限公司について、2022年から2024年にかけて従業員や親族の個人口座を通じて代金を受け取り、収入を隠していたとして、税金の追徴、延滞金、罰金を合わせて456万4800元科したと明らかにした。

北京市税務局も5月7日、北京西博思控制技術有限公司について、規定に反する費用計上、収入の隠匿、個人所得税の源泉徴収義務違反などを理由に、税金の追徴、延滞金、罰金を合わせて1196万9300元科したと公表した。

これらの事例は、税務部門が個人口座での代金受け取り、収入隠し、費用計上、領収書、個人所得税の源泉徴収といった幅広い項目で追及を強めていることを示している。

海外移転企業も調査対象に

浙江省の企業経営者である陳朗生さん(仮名)は、記者に次のように語った。

「いま企業経営で最も恐ろしいのは、帳簿を掘り返されることだ。多くの企業はすでにベトナムへ移転している。一部はインドへ移った。聞いたところでは、今回は海外に工場を移した企業も重点的に調べられているという。領収書、資金の流れ、社会保険を調べている。まるで『誰が工場を移せと言ったのか』と警告しているようだ。移転しなければ、官僚たちにのみ込まれるのを待てというのか」

複数の企業管理者は記者に対し、当局による今回の過去帳簿の調査は今年3〜4月ごろから始まり、圧力が明らかに強まったと語った。

陳さんは「知人を頼っても、コネを使ってもどうにもならない。企業規模が30億元を超える大口納税企業でなければ、地方政府は容赦しない。数千万元から数億元規模の一般企業は、いずれも調査対象になる」と述べた。

一部の企業経営者によると、いわゆる「税務調査」は、必ずしも統一された政策名で行われるわけではない。税務調査、企業抹消時の税務清算、社会保険料の追徴、領収書の照合、個人事業主の定額調整、市場監督当局による処罰など、さまざまな手続きの中で進められている。

過去数年の経営難に伴う帳簿の不備、社会保険料の納付不足、個人口座での代金受け取りといった問題が、改めて監督対象に組み込まれている。

地方財政危機、中小企業や個人事業主に波及

中共財政省は4月24日、今年第1四半期の財政収支に関する記者会見で、同期間の全国非税収入が1兆3100億元となり、前年同期比2.9%増えたと発表した。このうち、国有資源・資産の有償使用収入は7.5%増だった。主な要因として、地方が複数の手段で資産を活用し、行政事業機関の国有資産の処分、賃貸、貸し出しによる収入が増えたことを挙げている。

受け止めとして、いわゆる「全国的な過去調査」は、表向きには税務コンプライアンスや行政執行だが、実際には中共の地方財政危機が企業、個人事業主、住民の側へ広がっているとの見方がある。

現在、当局は土地売却や開発だけで資金を確保することが難しくなった。そのため、企業の過去帳簿、個人事業主の資金の流れ、罰金、非税収入へと財源探しの矛先を向けている。中小企業や個人事業主が、最初に圧力を受ける層となっている。

王一波
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