米国防総省 復旦大など中国3大学をブラックリストに追加

2026/08/01 更新: 2026/08/01

米国防総省は先週、外国の大学や学術機関を対象とするブラックリストに、復旦大学、上海交通大学、山東大学を追加した。掲載された大学は、アメリカの国家安全保障を脅かす可能性のある活動に関与しているとみなされている。

国防総省は、国防権限法の「第1286条」に基づき、このブラックリストを作成している。現在、リストには中国共産党(中共)、ロシア政府、イラン政府と関係する130機関が掲載されている。

米リスク情報プラットフォーム「Kharon(カロン)」の調査によると、今回追加された3大学はいずれも、中共が進める軍民融合政策に関与し、極超音速兵器から先端半導体まで幅広い分野の研究を行っているという。

ブラックリストに掲載された機関が関係する基礎研究について、国防総省は2026会計年度から資金提供を停止する。対象には助成金、契約、その他の連邦資金が含まれる。この禁止措置は、連邦政府から資金提供を受けるすべての機関の職員に適用される。

国防総省はアメリカの研究者に対し、ブラックリスト掲載機関と関係する人物との共同研究には、法令順守上のリスクがあり、連邦資金を受ける資格にも影響する可能性があると警告した。

同省は声明で、今回の措置について、アメリカの公的な学術研究を守ることが目的だと説明した。

研究安全保障の対象を一般大学にも拡大

カロンが公表した最新の分析記事によると、「第1286条ブラックリスト」は当初、中共の国防産業基盤に直接関係する機関を主な対象としていた。

対象には、中国「国防七校」と呼ばれる7大学や一部の軍事大学のほか、ロシアとイランの機関が含まれていた。その後、数十の軍事大学や国防研究所が追加され、昨年からは軍事系ではない一般大学にも対象が広がった。

ランド研究所の元アナリストで、中国軍事問題に詳しい調査会社Perceptum創業者のティモシー・ヒース氏は、リストの拡大について、国防総省が一般大学と軍との協力関係の深さを認識し始めたことを示していると指摘した。

ヒース氏は、こうした協力がさらに進めば、一般大学や研究機関が、アメリカの安全保障当局が重点的に警戒する対象になっていくとの見方を示した。

ワシントンの法律事務所Wileyで国家安全保障部門の責任者を務める、ナザク・ニカクタル元米商務次官は、今回の措置について、米政府に典型的な規制手法だと説明した。

ニカクタル氏によると、米政府はまず、規制しやすい対象に限定的な措置を導入し、訴訟に発展する可能性や業界の反応を見極めたうえで、段階的に対象を拡大する傾向があるという。

名門大学も軍民融合に深く関与

カロンの記事は、上海交通大学を例として挙げている。

上海交通大学は、重点大学育成政策「985工程」に最初に選ばれた9大学の一つで、アメリカの大学や企業とも共同研究機関を設立し、研究協力を行ってきた。

一方、カロンの調査によると、同大学材料科学・工程学院傘下の国家レベルの研究施設が、極超音速兵器の研究開発に関与していた。この研究には、対艦ミサイル部品の開発も含まれていたという。

中共の官製メディアは、こうした対艦ミサイルを「空母キラー」と宣伝している。

カロンによると、上海交通大学では少なくとも5つの学院が、軍事関連の研究や製品開発に必要な資格を取得している。

復旦大学も「985工程」に選ばれた大学の一つで、傘下の半導体研究施設は中共当局から資金提供を受けている。

1998年、復旦大学の集積回路研究所は上海復旦微電子集団を設立した。同社と復旦大学は昨年7月、戦略的協力協定を締結し、基幹半導体技術の競争力を高め、戦略的重要分野におけるサプライチェーンの安全を確保すると表明した。

企業の開示資料や中国銀行の報告書によると、上海復旦微電子集団の顧客には、軍関係機関のほか、アメリカのエンティティー・リストに掲載された企業に供給する企業も含まれる。

その中には、国有半導体受託製造大手の中芯国際集成電路製造も含まれる。

米商務省は昨年9月、復旦微電子をエンティティー・リストに追加した。

米商務省はその理由として、同社が軍の近代化を支援し、アメリカ原産品を入手した、または入手を試みたほか、軍、政府機関、治安機関に製品を直接供給していたことを挙げた。

また、ロシア軍の最終需要者に技術を提供したことも理由とされた。

国際評価戦略センターの上級研究員で、『China’s Military Modernization: Building for Regional and Global Reac(中国の軍事近代化 地域的・世界的影響力の構築)』の著者であるリチャード・フィッシャー氏は、上海交通大学と復旦大学は軍事大学ではないものの、中共の軍民融合戦略に深く関与していると指摘した。

フィッシャー氏は、両大学が中共軍の軍事技術研究と人材育成を支えているとの見方を示した。

安全保障上の脅威と位置付け規制を強化

国防総省は「第1286条リスト」を拡大する数週間前、別のリストである「第1260H条に基づく中共軍関連企業リスト」も拡大していた。

その後、中共当局は対抗措置を取り、複数のアメリカ企業に制裁を科した。

ニカクタル氏はアメリカの2つのリストについて、ブラックリストを通じてリスクを警告すると同時に、米商務省のエンティティー・リストなどより厳しいコンプライアンス対応を企業や研究機関に求めるものだと説明した。

また、貿易制限ではなく国家安全保障上の脅威として位置付けることで、政府は法的にも外交的にも措置を取りやすくなり、規制の柔軟性も維持できると指摘した。

ニカクタル氏は、現在の状況について、米中が互いにブラックリスト措置を講じる状況になっているとしながらも、双方とも現時点では一定の抑制を保っているとの見方を示した。

李平
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