メキシコが8月5日に発表した政府統計で、昨年末時点における同国の貧困率が約44%に達していたことが分かった。新型コロナウイルス感染流行に伴う大幅な財政削減と企業閉鎖、レイオフによる経済低迷が事態を悪化させたという。2015年7月、メキシコ市の低所得者層の住民が多い地域で撮影(2021年 ロイター/Edgard Garrido)

メキシコの貧困率、人口の約半分に上昇 コロナ禍で事態悪化

[メキシコ市 5日 ロイター] – メキシコが5日に発表した政府統計で、昨年末時点における同国の貧困率が約44%に達していたことが分かった。新型コロナウイルス感染流行に伴う大幅な財政削減と企業閉鎖、レイオフによる経済低迷が事態を悪化させたという。

公式基準が定める貧困以下のレベルに陥った人々は、ロペス・オブラドール大統領が就任した2018年末から380万人増加し、2020年には総計で5600万人に達した。

国家社会開発政策評価評議会(Coneval)の統計でも、同じ期間の全人口に対する極貧率は7%から8.5%(約1100万人)に上昇した。

Conevalは声明で、「新型コロナによる衛生上の非常事態は、あらゆる側面で社会発展に向けた政策の課題を深刻化させた。特に、所得、医療、教育、メキシコ国民の食糧事情の課題が深刻となった」と指摘した。

メキシコでは、貧困の所得水準は地方で月収111ドル前後、都市部で170ドル前後。極貧の所得水準は基本的に必要な食糧の購入が困難なレベルで、地方では月収63ドル以下、都市部では88ドル以下と規定されている。

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