中国紙・新京報によると、中国江蘇省などの地方当局に入港を拒否されたパナマ籍貨物船の乗組員20人のうちの16人は新型コロナウイルスに感染した(スクリーンショット)

<中共ウイルス>浙江省で入港拒否されたパナマ船、ようやく救助 16人感染 

7月30日、中国・江蘇省南通港に向けてフィリピンを出港したパナマ籍貨物船弘進号」の船員16人は新型コロナウイルス(中共ウイルス)に感染したことがわかった。最初に発症したのは船で唯一、新型コロナウイルスワクチンを接種していた船員だという。また、浙江省と江蘇省の地方当局は、一時、入港を拒否したため、船内で感染が拡大したとみられる。

中国メディアによると、石炭を積んだ「弘進号」は今月3日に目的地の港に入港する予定だった。しかし、フィリピンを出て、7月31日に機関長が発症して、船員13人に次々と発熱などの症状が現れた。「弘進号」はパナマ籍の貨物船で、20人の船員は全員、中国国籍だという。

南通市当局が入港を拒否したため、3日以降、「弘進号」は浙江省舟山市の外海で待機していた。船員の派遣会社は翌日から、各港の管理会社に連絡し入港を許可するよう働きかけた。7日夜、同省寧波市当局は声明を発表し、発症した船員らの受け入れを拒否した。窮地に陥った船員らがSNS上で、涙を浮かべながら助けを求める映像を投稿したことで、世論に注目された。舟山市当局は8日、ようやく救助に乗り出した。

9日、舟山市当局が船員全員に対してPCR検査を実施した結果、うち16人が陽性となった。11人はすでに舟山市の病院に運ばれた。

船員の1人は中国紙・新京報の取材に対して、7月30日、乗組員の中で最初に熱を出した人は唯一、国産ワクチンを接種していた人で、翌日熱が下がったため、「その時、誰も深刻に受け止めなかった」と話した。

同船員は、海上で待機していた数日間は、船員らにとって「水牢」という拷問を受けているような辛さだったと述べた。「発熱を繰り返す人、嘔吐や下痢をする人、味覚や臭覚を失う人がいれば、酸素吸入器を必要とする人もいた。今、無事に家に帰ることが最大の望みだ」

江蘇、浙江両省では、この1カ月弱で500人以上の感染者が確認されるなど、感染が拡大している。

(翻訳編集・張哲)

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