中国当局、日本など海外大学との協力プログラム286件を終了 教育界への支配強化続く
中国教育省は14日、海外大学との協力カリキュラム・プログラム286件を終了すると発表した。専門家は、中国当局が教育分野への支配を強化する一環であるとの見方を示した。
中国・海外協力カリキュラム・プログラム(中国語:中外合作弁学項目)によって、中国人の大学生や大学院生が中国のキャンパスで、外国(香港・マカオを含む)の大学のカリキュラムを受け、単位を取得できる。例えば、北京理工大学と米国のユタ州立大学の間の国際経済学修士課程プログラムや、上海の復旦大学と米国セントルイス・ワシントン大学の間の経営学修士課程プログラムがある。
なかには、中国人学生に対して、その国での学習や研修を求め、留学を履修条件にする外国の大学もある。学生らがプログラムを終了した後、中国側の大学と海外側大学の両方から卒業証書を受け取ることができる。
中国教育省が発表したリストの中では、米国のジョージア工科大学と上海交通大学の電子・コンピュータ工学修士課程や、スティーブンス工科大学と北京理工大学の電気通信管理修士課程など、米国の30大学が参加した41のプログラムが終了となった。
終了したプログラムのうち、英国の大学とのプログラムは73件、ロシア53件、オーストラリア50件となっている。香港、イタリア、フランス、ドイツの大学との協力プログラムも中止された。
日本の大学の場合、立命館アジア太平洋大学と東北財経大学の国際経済・貿易学士課程は終了となった。大阪産業大学と天津理工大工の工業工程学士課程、鄭州大学と長岡技術科学大学の材料科学・工程学士課程、杭州電子科技術大学と山梨大学のコンピュータ科学・技術修士課程など、日本の10大学による10の協力プログラムは継続している。
また、中国と海外大学の間の協力教育機関として、立命館大学と大連理工大学の「大連理工大学-立命館大学国際情報・エンジニアリング学院(DUT—RU International School of Information Science & Engineering at DUT)」は設立されている。
海外大学との協力教育機関には、上海ニューヨーク大学、デューク昆山大学などもある。
中国当局が、欧米の大学を主要対象とした286のプログラムを中止する理由は明らかにしていない。専門家は、この動きは当局による教育分野への思想統制強化の一環である可能性があると指摘した。
今月11日、北京市、浙江省、海南省の各政府は、小中学生向けの外国製教材を全面的に禁止した。上海市政府は5日、中国の特色ある社会主義に関する「習近平思想」を小中高校の必修内容に決めた。7月24日、中国当局は新たな政策を打ち出し、学生や生徒の宿題負担を減らすために放課後の個別指導塾を禁止した。
大紀元コメンテーターの唐靖遠氏は16日、「中国当局が海外大学との協力プログラムを一部中止したのは2つの目的がある」と語った。「1つには、関連する外国の教育資料や外国のイデオロギーが中国に入るのを防ぐこと。もう一つの目的は、多くの学生がこれらのプログラムを利用して海外に留学するのを止めるためだ」
唐氏は、中国当局は今後数カ月の間に、教育分野への統制を強化するためのさらなる行動を起こすと推測した。
(翻訳編集・張哲)