ワクチン接種を完了していても新型コロナウイルスに感染する「ブレークスルー感染」について、イスラエルの医師は慢性疾患のある高齢者が重症化しやすいと指摘している。写真は同国Petah Tikvaの病院で18日撮影(2021年 ロイター/Ammar Awad)

ブレークスルー感染、慢性疾患ある高齢者が重症化 イスラエルで

[エルサレム 20日 ロイター] – ワクチン接種を完了していても新型コロナウイルスに感染する「ブレークスルー感染」について、イスラエルの医師は慢性疾患のある高齢者が重症化しやすいと指摘している。

同国では現在600人が重症で入院しているが、約半数が米ファイザーのワクチンを2回接種していた。ワクチン接種完了者は540万人で、ブレークスルー感染はまれな現象と言える。

ロイターが医師、専門家、当局者11人に話を聞いたところ、こうした入院患者の過半数は少なくとも5カ月前にワクチン接種を完了し、60歳以上で新型コロナ感染症の症状を悪化させることで知られる慢性疾患を患っている。具体的には、糖尿病、心臓病、肺疾患、がん、炎症性疾患など、免疫反応を抑制する薬で治療する疾患だ。

こうしたブレークスルー感染を受けて、ワクチン接種の進んだ国で3回目のワクチン(ブースター)接種を実施すべきかどうか、また実施する場合はどのような人を対象にすべきかという議論が世界的に巻き起こっている。

イスラエルは7月に60歳以上を対象にブースター接種を開始。その後、対象年齢を拡大した。

米政府も18日、イスラエルなどのデータを参考に、9月から全国民を対象にブースター接種を開始すると発表した。

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