豪州ではAZ(アストラゼネカ)製ワクチン接種後の副反応として、最近の一週間だけでも、22歳の女性を含む11人に血栓の発生がみられました。ワクチン接種の副反応による血栓の発生は、死亡リスクを高めるとも言われています。
オーストラリア医療用品管理局(TGA)が8月12日 に更新した週報によると、血栓の発生がみられた11件のうち、2件が血栓性血小板減少症候群(TGA)の確定例で、9件が可能性例だといいます。
確定例となった2人は、ヴィクトリア州の22歳の女性と西オーストラリア州の82歳の男性です。可能性例の9人は60歳から80歳代の高齢者でした。
8月8日時点で、豪州におけるAZワクチン接種は740万回に達しています。そのうち副反応とみられる血栓の発生が判明したのは104例で、59例が確定例、45例が可能性例です。
オックスフォード大学病院NHS財団トラストファンドの研究員が『ニューイングランド医学雑誌』に発表した研究論文によると「血栓の発生率は低いが、AZワクチンの初回接種後に血栓が発生した場合は死亡リスクが高くなる。若年層や健常者にも、血栓が発生する可能性はある」といいます。
50歳以下では、AZワクチンの接種を受けた人のうち約5万人に1人の割合で、血栓症状が現れることがわかっています。
豪州で、ロックダウンされた各地域では、多くの若者がAZワクチンの接種を開始しています。特に感染が深刻化しているシドニー地域では現在、町の薬局や診療所で、予約なしでもAZワクチンを接種できます。
豪州の最大都市シドニーのあるニューサウスウェールズ州政府は、「現在おこなわれているロックダウンが解除され始めた時には、ワクチンを接種した人が、より早く自由になれる」という言い方で、市民に向けてワクチン接種の必要性と緊急性を訴えています。
ワクチン接種後にみられる副反応としての血栓は、通常、接種後4日から30日以内に発生するとされています。
ワクチン接種を受けた人で、重度または持続的な頭痛、かすみ目、息切れ、胸の痛み、脚の腫れ、長く続く腹痛、皮膚が青紫色になる、接種した部位以外に針先ほどの斑点がみられる、などの症状が現れたら、直ちに医師の診察を受ける必要があります。
(翻訳編集・鳥飼聡)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。