新型コロナワクチン接種の死亡事例含む23件が認定=予防接種健康被害救済制度

2025/04/08 更新: 2025/04/08

厚生労働省の疾病・障害認定審査会感染症・予防接種審査分科会は4月8日、新型コロナウイルスワクチン接種後の健康被害に関する審査結果を公表し、今回、新たに23件(全て死亡事例)が健康被害救済制度の認定対象となった。

健康被害救済制度は、予防接種との因果関係が医学的に明確に証明されない場合でも、「接種後に生じた症状がワクチンによって引き起こされた可能性を完全には否定できない」と判断したケースについては、一定の基準に基づいて救済を行う仕組みを採っている。これにより、証拠が不十分なケースであっても、被接種者の保護を目的として柔軟な対応をすることがある。

今回の審議結果を含め、これまでに受理した申請は累計1万3371件で、そのうち9054件が認定され、3570件は否認、8件が保留となっている。

一方、審議は2023年秋以降に実施したXBB対応ワクチン接種に関する事例のみが対象となっており、それ以前の事例は見落とされている可能性があるとして、懸念の声も上がっている。

2024年4月15日に開催した第101回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会では、審議対象とするワクチンの範囲に関する変更が行われ、XBB対応以前の従来のワクチン(例 従来株やBA.5対応型など)による副反応や死亡事例の新たな申請を、今後の審議対象から除外した。

この方針変更については疑義を呈する声も上がった。一方で、厚労省側は審議対象の見直しについて、科学的知見やワクチンの供給状況などに基づいた判断であると説明している。

大道修
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