cba / PIXTA(ピクスタ)
農科学もうひとつの道 完全自然農法

8. 自給自足は可能か?~消費者から生産者の目線へ

異常気象や地震などの自然災害に加え、コロナウィルスのパンデミックも長期間にわたっている。もはや以前の暮しには戻れず、「新しい生活様式に慣れる必要がある」と世界中の政治家やマスメディアは発信し続けている。たとえ以前の生活に戻れないとしても、その先にある生活様式とは、具体的にどんなものなのだろうか。不安に満ちたものなのか、あるいは夢多きものなのか。

目の前に見える不安材料のなかで、もっとも大きな影響があると思われるのは、気候変動だろう。冬の寒波、夏の熱波。山林火災や大洪水は、2021年、例年に増して世界各地に厳しい爪痕を残している。まだ日本では、表立って問題にはなっていないが、食料危機への対応策は、優先されるべき課題だと考えている。そこで思い浮かぶ言葉は、ずばり「自給自足」ではないだろうか。

とはいえ、ひと口に自給自足と言っても、いざ具体的な行動に移すとなると、どんなプランで、何から始めれば良いのだろう。都会に住む個人が、いきなり田舎の農地付きの家を購入して移住したとしても、すぐに挫折するのは明らかだ。最近よく耳にする、仕事で現金収入を得ながら農業を始める「半農半X」という選択肢は現実的に見える。しかし、いまの肥料栽培の技術で営農するにしても、自然農法にチャレンジするにしても、個人(もしくは家族)単位で将来的に自給自足が実現できるのかというと、やはり難しいだろう。

▶ 続きを読む
関連記事
健康のために飲んでいる薬やサプリ、実は普段の食べ物がその効果を弱めたり強めたりしているかもしれません。グレープフルーツや緑茶、イチョウ葉など、身近な食品と薬の意外な相互作用を専門家の解説でわかりやすく紹介します。
春は牡蠣が最も肥える季節ですが、食べ方によっては体に重さや冷えを感じることもあります。にらやしょうがなどと組み合わせることで、春の気の巡りを整え、体にやさしい一皿になります。
「人生をやり直したい」と感じたとき、本当に必要なのはゼロからの出発ではなく小さなリセットかもしれません。環境、時間、習慣、情報、健康――日常を整える5つのシンプルな方法で、人生の流れを前向きに変えるヒントを紹介します。
食事をしたばかりで満腹なのに、なぜかおやつに手が伸びてしまう――。その理由は意志の弱さではなく、脳の仕組みにあるのかもしれません。最新研究から見えてきた「食べ物の誘惑に負けてしまう理由」と対策のヒントを解説します。
頭がぼんやりして集中できない「ブレインフォグ」。その原因は単なる疲れではなく、腸内環境や慢性炎症、生活習慣の乱れが関係している可能性があります。食事や睡眠、運動の見直しで改善が期待できる対策を専門医の視点から解説します。