高市早苗氏、財政出動と安全保障を強調、中国共産党にも言及=自民党総裁選出馬会見
高市早苗前総務相は8日午後、都内の議員会館で記者会見を開き、自民党総裁選への出馬を正式に表明した。国家の果たすべき責務について力説し、多様化するリスクに対応できる各種政策を打ち出すことを強調した。そして、疲弊した経済を立て直すために財政出動や成長投資を行うことを掲げた。また、拡張を続ける中国共産党の脅威を警戒することにも言及した。
経済強靭化「サナエノミクス」3本の矢
経済政策については、経済強靭化を目指す「サナエノミクス」を掲げ、「金融緩和」、「緊急時の機動的な財政出動」、「大胆な危機管理投資・成長投資」という3本の矢を打ち出した。また、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている業界への支援とともに、サプライチェーンの確保にも注力していくと述べた。緊急時に必要物資を国内で生産できる体制を整えるべきとも語った。
また、待機児童の減少や、介護・育児しながら仕事ができるようサポートする措置を打ち出すことも述べた。
省庁再編も行っていく。エネルギー問題と、それに密接にかかわる環境問題に対処する「環境エネルギー省」や、高度化する情報通信技術を管理する情報通信省を創設する。そして情報通信省の外局としてサイバー防衛を担当する部署を設置し、日増しにエスカレートするサイバー攻撃に対応する体制を整えることを表明した。そして経済安全保障の概念に基づき、外国の投資に対して審査を行うことの重要性を強調した。
新たな戦争の態様に適応すべく、関連する法制度を整備し、防衛関連研究費を増額する考えを示した。
メディアについては、NHK改革を加速し、国民の税金が投入されている公共放送として日本の立場を国際的に発信していくべきだと述べた。
質疑応答のなかで、高市氏は中国共産党の脅威について言及した。中国共産党員が3人いれば、中国共産党支部を設置するという規則があるため、日本の企業が乗っ取られることのないようにすべきだと訴えた。そして、日本人が開発した技術が中国共産党の手に渡り、日本人の攻撃に転用されるようなことがあってはならないと明言した。
(王文亮、蘇文悦)