9月10日、国連のグテレス事務総長(写真)は、アフガニスタンで経済崩壊が起これば市民に「悲劇的な」状況が生じるとともに「テロ組織への贈り物」になってしまうとして、同国への資金注入を呼び掛けた。写真はマドリードで7月撮影(2021年 ロイター/Susana Vera)

アフガン経済崩壊は「テロ組織への贈り物」、国連事務総長が警鐘

[国連 10日 ロイター] – 国連のグテレス事務総長は10日、アフガニスタンで経済崩壊が起これば市民に「悲劇的な」状況が生じるとともに「テロ組織への贈り物」になってしまうとして、同国への資金注入を呼び掛けた。

8日には国連アフガニスタン支援団(UNAMA)のデボラ・ライオンズ事務総長特別代表が国連安全保障理事会に対し、イスラム主義組織タリバンから数十億ドルのアフガンの海外資産を保護するための凍結措置が「深刻な経済の下振れ」をもたらすのは不可避と指摘。「現時点で、国連は職員の給与さえ支払えない状況だ」と記者団に述べた。

また、「人々に悲劇をもたらす状況と、私見だが不安定化の原因であり、現在も国内で活動するテロリスト組織への贈り物となるような状況の回避方法を模索しなければならない」と述べた。

現在アフガンでは、過激派組織のアルカイダと「イスラム国」(IS)系組織が活動している。

一方、国際通貨基金(IMF)は新たな緊急支援4億4000万ドルについて、タリバンのアクセスを禁止。アフガン中銀の海外資産1000億ドルも、タリバンが先月実権を掌握して以後、大半が凍結されている。

グテレス事務総長らは、国際プログラムを通じてイエメンに資金を提供している方式をアフガンにも適用できるよう期待しているという。

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