欧州連合のボレル外交安全保障上級代表(写真)は、アフガニスタンを掌握したイスラム主義組織タリバンと交渉せざるを得ないとし、加盟各国と調整し首都カブールにEUの外交窓口を設置する考えを示した。9月14日、仏ストラスブールで撮影(2021年 ロイター/Julien Warnand/Pool via REUTERS)

EU、カブールに外交窓口設置へ タリバンとの交渉必至=ボレル上級代表

[ブリュッセル 14日 ロイター] – 欧州連合(EU)の外相に当たるボレル外交安全保障上級代表は14日、アフガニスタンを掌握したイスラム主義組織タリバンと交渉せざるを得ないとし、加盟各国と調整し首都カブールにEUの外交窓口を設置する考えを示した。

ボレル上級代表は欧州議会で「アフガニスタンの危機は終わっていない。影響力を確保するために、タリバンと取り組んでいかざるを得ない」と述べた。

EU外相は、アフガニスタンに対する人道支援を継続し、同国との外交関係を維持する条件として、特に女性に対する人権の尊重などを提示。ボレル氏は「(タリバンと)人権について協議することは全く矛盾することだが、そうせざるを得ない」と語った。

また、タリバンが人々の出国を許容すれば、アフガニスタンから欧州に来ようとする人が増えると予想され、EUはこれに備える必要があると指摘。ただ、シリア内戦で引き起こされた2015年の移民・難民の流入ほどの規模にはならないとの見方を示した。

EUの執行機関である欧州委員会は、約3万人のアフガニスタン人の再定住を支援するために、今年と来年に3億ユーロ(3億5500万ドル)の予算配分を予定している。

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