国会議事堂 (Photo by Kiyoshi Ota/Getty Images)

憲法改正、省庁再編… 自民党総裁選、立候補4人の主張

自民党総裁選、投開票日まで4日。立候補している河野太郎行政・規制改革相、岸田文雄・前政調会長、高市早苗・前総務相、野田聖子・幹事長代行の4氏は憲法改正省庁編成の政策について、それぞれ異なるスタンスを示した。

憲法改正

自民党・安倍晋三元首相は、憲法改正に向けて「自衛隊の明記」「緊急事態条項創設」「合区解消」「教育無償化の明記」という改憲4項目を掲げた。しかし、そのハードルは高く、制定から70年以上たった今も一度も改正されていない。衆参両院の総議員の3分の2以上の賛成と、その改正の承認に、国民投票で過半数の賛成を得なければならない。

どのように憲法改正まで繋いでいくのか。総裁選4候補は20日、党青年局・女性局主催の討論会で自らの見解を述べた。

河野太郎行革担当相は改憲4項目について、「国会でしっかりと議論して、合意に至ってから国民投票にかけていく」との考えを示し、国民投票時に投票方法などについて丁寧に情報発信をしていく必要性を述べた。

岸田文雄前政調会長は四つのたたき台素案はどれも現代的な課題であり、改正を実現しなければならないと訴え、国民投票法につなげるために、憲法改正に関する理解を広めていきたいと述べた。

高市早苗前総務相は「私たちの命を守る緊急事態条項を重視している」と述べ、今の時代の要請に応えられる憲法にしていくための取り組みを進め、憲法審査会の回数を増やす必要があると強調した。

野田聖子幹事長代行は国民投票法の成立に言及し、「これから4項目について、国民的な議論を始めていくことになる」と述べ、国民に分かりやすい憲法を示すことが大事であると強調した。

省庁再編

20日の討論では、省庁再編にも話が及んだ。いずれの候補も、現行の省庁の再編や新設を掲げている。

河野太郎行革担当相は厚生労働省を「厚生省と労働省に分けることも一つの考え方」とし、年金改革や医療改革などの分野に担当大臣を設置するという考えを示した。

岸田文雄前政調会長は感染症対応の司令塔となる「健康危機管理庁」を設置すると訴え、「公衆衛生上の危機発生時に、国・地方を通じた強い指揮権限を有する」と強調した。

高市早苗前総務相は環境政策とエネルギー政策を一元的に担う「環境エネルギー省」の設置を唱えるほか、「情報通信省」を新設し、外局に「サイバーセキュリティ庁」を設置すると意欲を示した。

野田聖子幹事長代行は少子化対策や子どもの貧困を対応するため、「子ども庁」の設置を訴えた。少子化による人口減少という問題を提起し、子どもに関する政策の重要性を訴えた。

(蘇文悦)

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