ロシア産天然ガスをポーランド経由で欧州に運ぶパイプライン「ヤマル」のドイツ方面へのガス輸送が8日遅くに再開され、連日の輸送停止で上昇していた欧州のガス卸売価格は9日に下落した。資料写真、バルブを回す作業員、2006年12月撮影(2021年 ロイター/Vasily Fedosenko)

ロシア産ガスのドイツ向け輸送再開、欧州のガス卸売価格下落

[モスクワ 9日 ロイター] – ロシア産天然ガスをポーランド経由で欧州に運ぶパイプライン「ヤマル」のドイツ方面へのガス輸送が8日遅くに再開され、連日の輸送停止で上昇していた欧州のガス卸売価格は9日に下落した。

ロシアが欧州向けガス供給を増やす約束を履行し、冬季のガス需要が増える前に供給不足と価格高騰への懸念が解消されるとの期待が高まっている。

ドイツのパイプライン運営会社のデータによると、ロシアはドイツ方面へのガス輸送を8日に停止した後、同日遅くに再開。その後は輸送量を増やし、約2週間ぶり高水準まで引き上げた。

ロシア産ガスは欧州のガス供給の3分の1を占めており、欧州のガス価格が高騰する時期にはロシアの供給方針が大きな影響力を持つ。

ロシアのプーチン大統領は先に、国営ガスプロムに対し、国内備蓄を満杯にしてから欧州に供給するよう指示。ガスプロムは9日、欧州の5つの地下貯蔵庫向けのガス供給を開始したと明らかにした。

欧州連合(EU)と英国のガス卸売価格は下落したものの、市場関係者はさらに低下する可能性について、ロシアのガス供給を巡る懸念が一段と払拭(ふっしょく)されるかどうかと、この冬の厳しさ次第だと指摘する。

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