朝食は、確かに1日の活力の源です。ところが、多くの人は朝食を「食べ放題」にしています。
これは、踏んではならない「地雷の朝食」です。このような朝食をとり続けると、健康的でないだけでなく、食べるほど太ってしまうので注意しなければなりません。
朝食で「地雷」を踏まないために
地雷の危険性が高い朝食としては、「焼餅、油条、ジャムつきトースト」が上位にランクインしています。つまり油脂と糖分を多く含む、カロリーのやたら高い食物が、地雷朝食の「代表」なのです。
内湖恒新リハビリ科クリニックの栄養士である呂孟凡氏は、「厚切りトーストは、精製されたデンプン質です。それにジャムやクリームをつけると、砂糖に砂糖を重ねることになります。甘い菓子パンも、同じく地雷の組み合わせです」と、その問題点を指摘します。
焼餅は中国式の鉄板焼きパンで、油脂がたくさん入っています。油条(揚げパン)は、まさに精製された小麦粉の生地を油で揚げたものですので、それ自体が油とデンプンの組み合わせです。
焼餅や油条については、台湾ではもっと特別な食べ方があります。なんと「焼餅のなかに、油条を具として包み込む」のです。この食べ方は、食感も味もよく、それなりに人気もありますが、一食でとんでもない量のカロリーを摂取することになります。
台湾の朝食店で売っている焼きそばや焼きうどんの麺は、いずれも精製デンプンです。油で炒めた麺はカロリーが高いですが、全体的にタンパク質や野菜が不足しています。麺にからめるソースにはとろみがあるので、さらにカロリーが高くなります。
サンドイッチやおにぎりは、「地雷」というほどではありませんが、選び方や食べ方にコツがあります
マヨネーズが大好きという人もいますが、マヨネーズは油脂からできているのでカロリーが高い食品です。サンドイッチにしろ、目玉焼きにしろ、あまり多くのマヨネーズはかけないでください。また、皆さんの日本で売られているかどうか存じませんが、台湾のコンビニにある「唐揚げを挟んだサンドイッチ」も健康的ではない選択です。揚げ物が入っていないサンドイッチを選ぶといいですよ。
「日本式おにぎり」は豆乳を添えればOK
おにぎりについて言いますと、中国式おにぎりは「粽子(ゾンズ)」といって、もち米のご飯を笹の葉で巻いた「ちまき」の一種です。具には油分が多く、油脂も糖質も高めです。
これに対し、日本式の三角おにぎりは、1つで粽子の半分くらいのご飯の量です。こちらは糖類が多すぎないため「地雷」ではありません。ただ、タンパク質が不足しているのが気がかりなので、無糖豆乳も併せたメニューをお薦めします。
ホットケーキも精製されたデンプン質であり、さらにハチミツがかかっているので糖質が多く、理想的な朝食ではありません。ホットケーキを食べるなら、スクランブルエッグも添えましょう。ただし、ハムやチキンナゲットは避けたほうがいいです。
果物は健康的な食物ですが、朝食に果物しか食べないのは栄養が偏っています。果物だけしか食べない朝食は、三大栄養素のうちの炭水化物しか摂取できませんので、豆乳や卵などのタンパク質食品と組み合わせることが必要です。
お粥は、胃に優しく消化の良い朝食になります。白粥と漬物の組み合わせは一部の中国人によく見られる食べ方ですが、やはりタンパク質の不足が心配されますので、豆腐や卵を組み合わせるようにしてください。
朝食の大切さを再度考えてみましょう
栄養士の呂孟凡氏は、「理想的な朝食メニューには、炭水化物、タンパク質、油脂の3種類以上がバランス良く含まれています。私も普段このように食べています」と言います。
多くの人は健康的な食事を選ぶ必要性を知ってはいますが、「組み合わせの間違い」という問題が往々にしてあるようです。例えば、オートミールと一緒にパンを食べればどちらも炭水化物になってしまいます。この場合、パンを他のタンパク質に替えるのが適切な組み合わせです。
お薦めの組み合わせ例は、「野菜オムレツ、無糖豆乳」「サツマイモ、茶卵(煮卵)、牛乳」「オートミール、ナッツ類、ゆで卵」などです。
このような食事の組み合わせは栄養バランスが良いだけでなく、食べ過ぎて太ることも避けられます。168断食を取り入れて実践する「ダイエット集団」の方々にも、朝食抜きではなく、このように食べることを提案します。
「16時間の断食。8時間の非断食」が168断食の基本的な意味ですが、朝食を抜くことを168断食だと思って、昼の12時から夜の20時までに食べる人が多いようです。
呂孟凡氏は「このような断食を、私も試したことがあります。しかし、減量効果はあまり良くありません」。総カロリーの摂取量は減っているのに、朝食をとっていないため昼食や夕食が多くなっているのかもしれない、と呂氏は言います。
より正確な168断食の定義は、「3食を8時間以内に濃縮して食べる」です。
その上で、実施する時間帯について考えなければなりませんが、168断食を二度試した呂孟凡氏によると、「一度は午前9時から17時まで、もう一度は12時から20時までの断食でした。その結果、午前9時に朝食をとった日は体重を減らすことに成功しましたが、正午以降に食べる断食方法では痩せませんでした」とのことです。
やはり、適量で質の良い朝食をきちんと食べることは、体重管理と健康維持に不可欠のようです。
(文・蘇冠米/翻訳編集・鳥飼聡)
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