ハロウィンのカボチャ (mao / PIXTA)

あまり知られていないハロウィンの由来

ゴーストデイ(死者を祭る日)とハロウィンの変化は、実は宗教的な対立や争いの結果なのです。古代ケルト人の文化では、10月31日は長い夏の日が終わり、長い冬の夜が始まる日と考えられていたため、彼らはこの日を1年の終わりと見なしていたのです。夏の終わりに収穫を祝い、翌日の11月1日を「サウィン祭」と呼ばれる新年の始まりとします。

ケルトの人々は、死者の亡霊から身を守るために、作物を焼いて供え物としたり、食べ物を玄関に置いたりして、亡霊が喜ぶようにしたのです。また、霊を追い払うために、顔にペイントしたり、動物の頭蓋骨や毛皮を使った奇妙な衣装を着たり、死神が本当の自分を認識できないように奇声を発したりしました。

さらに、怖い顔を彫ったカブやジャガイモ(後にアメリカでカボチャに変化)などを住居に置いて、災いを除けました。こうした古代ケルトの風習が、次第に今日のハロウィンの夜のカボチャの灯り、ドアを叩いてお菓子をもらう子供たち、さまざまな奇抜な仮装をして掛け声を発する人々の由来となったのです。

ハロウィン(別名:諸聖人の日)は、カトリックの宗教がルーツで、後にイギリス諸島に伝わりました。カトリックが主流となりましたが、ケルトの伝統的な習慣は残りました。カトリックの大司教はサウィンを「異教徒」の信仰とみなし、これを根絶するために、聖人の殉教を記念するハロウィンを、サウィンの日の11月1日に変更し、サウィンの日を強制的に廃止したのです。

紀元9世紀以来、カトリックの教皇は11月1日を公式な祝祭日として祝い、既知・未知のすべての殉教者に敬意を表してミサや晩餐会を催しています。

“ハロウィン”はカトリックの殉教者を記念するもので、カトリックの多いヨーロッパで広く行われ、アメリカ大陸にも広がりました。

一方、“サウィン祭”の悪魔払いの伝統は、ほとんどがイギリス諸島とその植民地に限られ、他の地域で盛んになったのは近代のことでした。

しかし、現代では東西の区別もなく、ハロウィン・イブには多くの国の人々が仮装を楽しみ、本来の風習や宗教の意味もよくわからないままになっています。

(翻訳・井田千景)

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