「攻撃的」な中国への懸念に対して米国の関与を促すブリンケン米国務長官
米国のアントニー・ブリンケン(Antony Blinken)国務長官は、2021年12月中旬に、中国の「侵略的行動」に対する懸念が増大している地域のパートナー諸国との間で、インド太平洋地域の同盟条約を深め、防衛と諜報活動を強化することを提案する米国の戦略を推進した。
インドネシアを訪問したブリンケン国務長官は、インド太平洋地域を世界で最も活動的な地域と呼び、中国に対して直接的な言葉で言及しながら、誰もが利害関係のために抑圧や威嚇を伴わず現状を維持していると述べている。ブリンケン国務長官は、米国とその同盟国および南シナ海で領有権を主張する数か国が、その不法な行為に対して反撃するであろうと述べた。
ブリンケン国務長官は、「私たちは同盟国およびパートナー諸国と協力して、この地域が開かれていて自由にアクセスできることを保証するために、数十年にわたり共同で構築してきたルールに基づく秩序を守ります。
ここで明らかにしておきたいのは、ルールを基にした秩序を守ることは、国の自由を制限することではないということです。むしろすべての国に対し、抑圧や威嚇から解放され、自らの道を選択する権利を守ることです」と述べている。
中国は、他の沿岸国も領有権を主張しているにもかかわらず、南シナ海のほぼ全域を自国領と主張しているが、そのような主張には法的根拠がないとする国際裁判所の判決もある。 中国政府は米国の姿勢を外部からの干渉だと拒否した。
今回の訪問は、2021年1月にジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領が就任して以来、ブリンケン国務長官による初めての東南アジア訪問だった。 南シナ海での敵対関係にもかかわらず、中国政府による地域へのインフラ投資と統合貿易関係の推進により、中国の地域への影響力は近年拡大している。
ブリンケン国務長官は、米国は日本やフィリピン、韓国、タイなどの条約同盟国との関係を強化し、インド太平洋地域のパートナー諸国との防衛と諜報能力を強化し、開かれていて安全なインターネットを守ると述べている。
ブリンケン国務長官は、これは米国または中国を中心とした地域間の競争ではないことを強調した。さらに、米国政府はミャンマーの軍事政権に対して暴力による統治を終わらせ、拘束されている国民を解放し、包括的な民主主義に戻るように促していると述べている。
ブリンケン国務長官は、米国はより多くの外国への直接投資と、同地域での米国企業の活動を含む新しい包括的な地域経済枠組みにも取り組んでいると述べている。 今回の外遊中にマレーシアも訪問したブリンケン国務長官は、米国はサプライチェーンを強化し、港湾や道路、電力網、インターネットなどを含む地域のインフラストラクチャーの格差を埋めることに取り組むと発言した。
さらにブリンケン国務長官は、米国はインド太平洋地域で自国の労働力を使い、天然資源を枯渇させ、環境を汚染している外国企業の不透明で腐敗した活動に対する懸念が高まっていることを認識しているとコメント。
「インド太平洋諸国はより良質なインフラストラクチャーを望んでいます。しかし多くの人がそれを高価すぎると考えている。あるいは破談になるよりは、取引相手が決めた条件で不当な取引をするべきだという圧力を感じているのです」と述べている。