家の壁の中からフランス革命前のルイドール金貨が発見 235枚が1億3千万円以上で落札
フランスで職人3人が西部の村里離れた家を改築していたところ、建物の壁の中からフランス革命以前に鋳造された数百枚の珍しい金貨を発見しました。金貨の一部は、オークションで100万ユーロ(約1億3千万円)を超える価格で落札されました。
フランスのオークションハウスは声明で、ブルターニュ地方フィニステール県プロゼベにあるこの物件は、2012年に夫婦が購入したと発表しました。 改修工事は3人の職人に任されました。
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改修工事中、3人の職人は家の壁に埋め込まれた金貨の入った金属製の箱を発見しました。 数日後、梁の上に金貨が入った布製の財布を見つけました。 金属製の箱と財布の中身を合わせると、239枚の古コインが発見されたことになります。
「最初は冗談かと思いましたが、まさか本物とは」と、この家の家主であるフランソワ・ミオンさん(63歳)は、地元メディアに語りました。
考古学者によると、239枚の金貨は本物で、フランス革命以前、ルイ13世とルイ14世の時代に鋳造されたものでした。そして、古いもので1638年、新しいもので1692年であることが判明しました。 金貨は、全国19カ所の造幣局のものです。
また、1640年に鋳造され、8千から1万2千ユーロの価値があるテンプル騎士団の十字架を持つルイ・ドール金貨や、1646年にディジョンの工房で鋳造されたルイ・ドール金貨などは、現存するのは120点のみとされており、真に歴史的価値が高い非常に珍しいコインで、それだけで1万5千ユーロの値打ちがあります。
考古学部門によると、建物の最も古い部分は、かつて13世紀の裕福な商人の家であった可能性があり、邸宅自体も歴史的価値があるもののようです。
所有者は記念に4枚のコインを選び、残りの235枚は9月29日にオークションにかけられました。オークション会場やインターネット、電話からも入札が殺到し、最終的に100万ユーロ以上で落札されたことが分かっています。
そのうちの1枚は、ルイ14世の治世に鋳造され、1646年のルイ14世の肖像が描かれたコインで4万6千ユーロで落札されました。
金貨が見つかったのは2019年ですが、幸いにも所有者が2012年に購入したため、競売の収益は国には渡らず、2016年以前に施行された法律により、半分は所有者に、半分は金貨を発見した3人の職人に均等に分配されることになりました。
(翻訳・井田千景)