2021年7月にガラパゴス諸島付近の太平洋上でイカ漁の準備をする中国籍の鲁荣远渔609号(Lu Rong Yuan Yu 609)(AP通信)

インド洋でマグロを不正に運搬している中国船を発見

外洋の海洋生物の保護のための国際協調の欠如を懸念し、焦点を当てているノルウェーの監視団体が新たに発表した報告書によると、中国のイカ漁船が、既に乱獲されているマグロを違法に捕獲するために幅広の網を使用していたことがわかった。

 2021年12月上旬にトリグ・マット・トラッキング(Trygg Mat Tracking:TMT)が発表した報告書は、イカ漁が規制されていないインド洋の外洋で操業するイカ漁船の数が、2016年以来6倍に激増していると述べている。 

オマーンおよびイエメン沖の外洋を航行する船舶の大部分は世界最大規模の外洋船舶を持つ中国籍の船舶で、世界中で違法・無報告・無規制(IUU)の漁業が行われているとの非難を浴びている。 

この急増の背後には監視の欠如と数十年にわたる乱獲の問題がある。中国の外洋船は公式には3000隻を上限としているが、実際はそれよりも数千隻多い可能性があり、さらに遠方に展開してきている。 

それぞれの国の領海外の漁場を数か国で共同して管理している他の外洋と異なり、インド洋にはイカ漁を規制する組織は存在しない。

 TMTは船舶追跡データとグリーンピース・インターナショナルの海上調査により、これらすべてのイカ漁船が、漁獲対象ではない魚種も混獲しうるため、ジグとして知られるルアーを使用する漁法よりもはるかに有害であると考えられている大型の網を使って漁をしていたことを明らかにした。 

網に絡まって漁船に引き上げられた漁獲対象外の魚を撮影したドローン映像によると、引き上げられた魚の中には成熟が遅く上位の捕食者である大型のマグロが含まれていた。

これらのマグロの減少は、海が瀕死の状態であることを示している可能性がある。2021年にこの海域での操業が確認された341隻の船舶はすべて、国際海域での漁獲量を規制するインド洋まぐろ類委員会(IOTC)によるマグロ漁の許可を受けていなかった。

 TMTはさらに、この地域で活動していた5隻の船舶がパキスタンの港に寄港した際に、IOTCが長年の乱獲で激減した個体数を回復させようと働きかけているカツオとキハダマグロが30トンも積載されていたと述べている。 

違法漁業を表す別の兆候として、かなりの数の船舶が船の位置を追跡するための装置をオフにしたり、間欠的にしかオンにしない状態、または偽の識別情報を発信する「隠密」航行を行っていた。 

世界の他の地域で違法行為を行った記録があり、TMTが注視する中国船のうち数隻は、漁業許可を得ていないオマーンとイエメンの領海線付近を航海していたことが衛星写真で発見されている。

 また、これらの船舶は南アメリカ大陸西海岸沖の太平洋上でイカ漁を行っていることも知られており、同様に追跡装置の偽装が行われている。

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