階段ピラミッド
エジプトの最古のピラミッドはサッカラにある階段ピラミッドです。
階段ピラミッドは第3王朝(紀元前2667年-2648年)のジェセル王のもので、高さ62メートル、全部で6層あります。最初はごく普通のマスタバ(地下の墓室の上に、長方形で台状の建造物を石積みで築いたもの)でしたが、後に現在見られているような形に増築されました。
その1世紀後の第4王朝から、今日良く見られる方錐状のピラミッドに発展し、第18王朝最後のピラミッドまで続きました。
第3王朝以前は、泥レンガなどで積み立てられた長方形の墓が一般的でしたが、第3王朝の時、ジェセル王の宰相であるイムホテプの主導により、ジェセル王のために特殊な墓を作ることになりました。そのため、イムホテプは人類史上初めて、大型石造建築物を作ったと言われています。
当時の建築技術はまだ完全ではなく、石材の隙間を小粒の石材や砂利、木くずなどで埋めていました。
最初は、高さ8メートル、一辺63メートルの墓を作る計画でしたが、それから、墓を積み重ねる計画に変更し、最終的には6つのマスタバを積み上げたピラミッドが完成しました。そして、ジェセル王はこのエジプト最古のピラミッドの地下28メートルに設けられた墓室で眠っています。
この階段ピラミッドは単体ではなく、周りには付属建造物や、高さ10メートル、南北約545メートル、東西約277メートルの石灰岩の外壁があり、このピラミッド複合体を囲っています。
現存しているカイロ博物館にあるジェセル王の彫像は、古代エジプトの時期において、比較的珍しい等身大の石像であり、ファラオの厳粛さが伺えます。
また、石造の下には、ファラオ本人以外の人名「イムホテプ」が刻まれました。これは前例のなかったことです。イムホテプはジェセル王のために最初のピラミッドを建てた功績のある人として、特別にファラオ像に名前を入れることを許されたと言われています。
イムホテプの階段ピラミッドは歴史に刻み込まれ、そして、その功績はエジプト人の心の中に残り、代々謳われています。
――正見ネットより転載
(作者・意文/翻訳編集・天野秀)
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