チアシードには、アンチエイジングのほか、心臓血管を保護し血糖値を抑えるなど優れた効能があります。(Shutterstock)

チアシードの効能「ひと匙でアンチエイジングも可能」

ゴマのような形状をしたチアシードは、メキシコ原産の「チア」というシソ科の植物の種子です。その優れた栄養価から「スーパーフード」の異名をもちます。

実際、チアシードには非常に高い食用価値があり、アンチエイジング、心臓血管の保護、血糖値の抑制など、多くの健康上の利点をもたらします。

ただ、もともと種子であるため、油脂に含まれるカロリーは高く、大量に食べる必要はありません。「1日ひと匙」を目安に、少しずつ、継続的に利用するのが良いでしょう。

各種の栄養素を手軽に補給できるチアシードは、以下の5つのメリットがあります

1、心臓血管を保護する

種子であるチアシードはナッツ類に属するため、含有量が最も多いのは油脂です。

その多くはαリノレン酸であり、オメガ3脂肪酸の一種です。

オメガ3脂肪酸は抗炎症効果があり、体の慢性炎症を緩和するとともに、血圧を下げ、血液の凝結を避けることができます。これらの作用により、心臓血管を保護し、脳卒中を予防することができます。

2、血糖やコレステロールをコントロールする

チアシードは、他のナッツ類に比べても食物繊維が多い食品です。

チアシードの食物繊維の大部分が水溶性であるため、吸水すると膨張してゼリー状になります。

この水溶性食物繊維は、糖類の消化吸収を遅らせ、食後の血糖値を安定させ、腸におけるコレステロール吸収を減少させて、悪玉コレステロールを排出しやすくします。

3、抗老化、ガン抑制作用が得られる

体内のフリーラジカルが多すぎると、細胞が破壊され、老化が加速し、病気になるリスクが高まります。

チアシードに含まれるこれらの抗酸化栄養素は、フリーラジカルによる損傷を減少させ、抗老化、がん予防に効果を発揮します。

4、骨の健康を促進する

チアシードはカルシウムやマグネシウムなど、骨の健康に重要な栄養素が豊富に含まれています。

また、カルシウムとマグネシウムは血圧を下げ、筋肉をリラックスさせるとともに、精神を安定させ、トリプトファンをメラトニンに変換して良質な睡眠を促します。

5、ダイエットに役立つ

チアシードを食事のなかに効果的に取り入れることは、ダイエットにも役立ちます。

水に浸してゼリー状に膨張したチアシードは、血糖の上昇をゆるやかにするとともに、満腹感が比較的長く持続できるからです。

 

チアシードを食べると満腹感が増すので、ダイエットに適しています。(Shutterstock)

チアシードは「水を含むと10倍に膨らむ」ものです。

適量を半日(約12時間)水に浸し、十分に膨張したものを調理に使用してください。

チアシードの種子をそのまま食しては、いけません。

誤って、そのまま食べ、後で水分を摂ると、胃腸のなかで膨張してしまい「危険な状態」にもなります。

必ず水でもどし、さらによく噛んで食べるようにすれば、チアシードの豊富な栄養をもれなく吸収できます。

「のど越し」を楽しむために、ゼリー状になったチアシードをごくごく飲み込むのは、血糖値上昇の抑制にはなりますが、せっかくの栄養を十分に生かしていない食べ方です。

また、加熱調理するとαリノレン酸が損なわれますので、具材として熱いスープに入れるなどは避けてください。

(文・蘇冠米/翻訳編集・鳥飼聡)

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