マーサとマリアとのキリスト(ヘンリック・シエミラツキー/パブリックドメイン)

【芸術秘話】アカデミック美術とは

19世紀の「アカデミック美術」に反対したり、批判したりする芸術家の主張をよく耳にします。まるでアカデミック美術が、束縛感が強く、古いルールに縛られていて、陳腐で時代遅れであるかのようです。しかし、「アカデミック」という言葉には、「学術的」「権威的」なイメージもあります。一体、アカデミック美術とはどういうものなのでしょうか?

「アカデミック美術」という言葉は、1563年、ジョルジョ・ヴァザーリがフィレンツェに創立した「アカデミア・デッレ・アルティ・デル・ディゼーニョ」(現フィレンツェ美術学校 )に由来しています。その目的は美術界の人材を育成することでした。

後に、ヨーロッパの各国がこれに倣い、相次いでアカデミーを創立し、中でもフランスが最も力を入れていました。特に、ルイ14世やナポレオンなどの君主による大々的な支持の下、フランスの美術アカデミーから数々の人材が生まれ、それらのアーティストたちはフランスの芸術に大きな貢献をしました。これにより、アカデミック美術は正規の美術教育を受けた人による正統派美術として認識され、「公的に認められた正統的な美術」という最高の栄誉を象徴するようになったのです。

▶ 続きを読む
関連記事
正統で伝統的な芸術の価値は計り知れない。東西における偉大な文化や芸術は、神々と人類文明が紡いだ、両者が繋がるための絆である。これらの作品が人類に伝えるのは、美、善、光、希望である。一方、邪悪な要素に操られて生まれたものは退廃した芸術である。これらの作品は神と人間の間に楔を打ち込み、人間を邪悪へと引きずり込む役割を果たしている。
ノースカロライナ州のブルーリッジ山脈(アメリカ合衆国東部をジョージア州からペンシルベニア州にかけて走る山脈。アパラチア山脈の一部)で美しい夜明けを迎え、私たちは暗闇に包まれながら、朝の新鮮な空気を吸うためにニューリバーのほとりまで歩いていきます。暗い水の上を爽やかな霧が覆いゆっくりと動いています。目覚めたばかりの太陽の不思議な黄金色の光が水面に反射してキラキラと輝いています。私たちがいることに気づき白鷺(しらさぎ)と思われる白い鳥は、驚き、羽の音を響かせながら、飛び去って行きました。すると、こ
豪華な古代の宮殿で、夢のような宴会が行われています。雪の吹きだまりのようなバラの花びらが散りばめられ、その中で若い男女が寝そべってはしゃいでいます。若きローマ帝王ヘリオガバルスは金色のローブを着て、宮殿の長いソファにうつ伏せになり、下の客たちが贅沢な喜びに浸っているのをゆったりと無関心に眺めています。空から花びらが降り続き、若い男女が花の色、香り、柔らかな感触に包まれて、完全に自分自身のことをすっかり忘れてしまいました 。
マニエリスムを画風として表すことに関して、多くの論争がありました。第一次世界大戦が勃発する前、美術史家ハインリヒ・ヴェルフリンは、16世紀頃のイタリアの芸術作品に分類されない作品をマニエリスムと言い表していました。
ルネサンス期を育んだイタリアの都市ーーフィレンツェ。 遠近法や人体解剖学などの運用と、明暗に対する理解により、 […]
イタリア北部からの影響 芸術の進歩の軌跡は各時代の作品から発見できます。イタリア北部で、人物をきわめて正確に表 […]
アカデミック美術の誕生 ルイ14世の時代に建てられたパリ国立高等美術学校「エコール・デ・ボザール」は、引き続き […]
実際に絵を描くとき、全ての光景を画家の視野の中心に集めることは不可能なので、下の写真のように、必ず対象物の一部 […]