米国のある一人の男性が呼吸困難の治療のためにニューヨークの病院を受診したところ、鼻腔から歯が生えていると診断された。 医師がこの歯を取り除いた後、この男性はようやく普通に呼吸できるようになったという。
ニューヨーク・ポスト紙によると、数年前から右の鼻の穴から息をするのが困難になっていたこの38歳の男性は、治療のためマウントサイナイ病院へ行った。
同病院の口腔顎顔面外科医であるサガー・カンナさんとマイケル・ターナーさんは、この男性に鼻中隔偏位、つまり左右の鼻腔を隔てる中隔が変形していることを突き止めた。
2019年の調査では、このような歯のズレは0.1%~1%の確率で発生するまれなものであることがわかった。
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ターナーさんが「The New England Journal of Medicine」に発表した事例では、合併症もなく、男性の外科的に除去することができたという。
その男性は、3ヵ月後にクリニックに戻ってきて、右の鼻の穴から普通に呼吸していると報告した。このような異所性歯牙の原因は不明だ。
また2019年にデンマークで同様の事例が発生した。 デンマークのオーフス大学病院の耳鼻咽喉科に、ある男性が嗅覚障害で受診した。
コンピューター断層撮影スキャンの結果、男性の鼻腔の下に歯があることを確認した。その男性は、異所性歯牙が原因で嗅覚が失われていることを告げられ、ショックを受けた。
その後、医師が鉗子で歯を抜くと、男性の嗅覚異常は消えたという。
(翻訳・里見雨禾)
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