ブリンケン米国務長官(右)はトラス英外相(左)と会談し、ウクライナ市民を戦闘地域から安全に退避させる「人道回廊」について、ロシアに抜けるルートを設置するというロシアの提案は「ばかげている」と述べた。9日、 ワシントンで撮影(2022 年 ロイター/Jim Watson/Pool via REUTERS)

米国務長官、ロシアに抜ける人道回廊案「ばかげている」 英外相と会談

[ワシントン 9日 ロイター] – ブリンケン米国務長官は9日、ワシントンでトラス英外相と会談し、ウクライナ市民を戦闘地域から安全に退避させる「人道回廊」について、ロシアに抜けるルートを設置するというロシアの提案は「ばかげている」とし、退避ルートはより幅広い規模で設置される必要があるという認識を示した。

ブリンケン長官は会談後の会見で「ウクライナ市民に対し、命を軽視する政府に保護を求めるよう示唆することは不快だ」と語った。

トラス外相は、ウクライナの人道回廊の上空に飛行禁止区域を設けることについて「飛行禁止区域を設定すれば、北大西洋条約機構(NATO)とロシアが直接的な衝突に発展する恐れがあり、英政府は検討していない」と明らかにし、ウクライナが自国を防衛できるよう支援することに焦点を置いていると述べた。

その上で「対ロシア制裁をさらに強化する必要がある」とし、ロシアを国際送金・決済システムのSWIFT(国際銀行間通信協会)から完全に排除し、主要7カ国(G7)におけるロシア産の石油やガスの依存脱却を目指すと言明した。

関連記事
NATOのルッテ事務総長は28日、ロシアに派兵された北朝鮮軍部隊がロシア・クルスク地域に配備されたことを確認したと明らかにした。米国防総省は、北朝鮮が戦闘に加わった場合、米国はウクライナによる米兵器の使用に新たな制限を課さないと発表した。
日米韓3カ国の安全保障担当官は25日、ワシントンで協議を行い、北朝鮮がロシアに派遣した兵士がウクライナの戦線に投入される可能性について「重大な懸念」を表明した。米ホワイトハウスが発表した。
次期大統領を争う共和党のトランプ候補と民主党のハリス候補は、ウクライナ戦争の出口戦略およびロシアとの交渉姿勢において対極的な態度をとっている。
ロイターの報道によると、ロシアは中国に秘密裏に武器プロジェクトを設立し、ウクライナ戦争を支援するための攻撃型無人機の開発と生産を行っている
オースティン米国防長官はウクライナのウメロフ国防相と電話会談を行い、米国のウクライナに対する揺るぎない支援を再表明した。米国防総省が23日に明らかにした。