毎日髪を洗ってもいいのでしょうか?シャンプーはどのように選べば良いのでしょうか?シャンプーの後、ドライヤーで乾かす必要はありますか?シャンプーに関する誤解に、中医学・西洋医学の医師がお答えします。
毎日髪を洗うとハゲる?
毎日髪を洗うと髪が抜けてしまう、毎日髪を洗うと頭皮がどんどん脂っぽくなってしまうなど、「毎日髪を洗ってはいけない」という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。真心皮膚科クリニックの周宛儀院長は、こうした考えは間違っているといいます。
一人当たりの正常な抜け毛の量は1日に50〜100本です。毎日シャンプーすれば、3日に1回するよりも、1回で抜ける髪の量は少なくなります。通常の1日の抜け毛の量に見合った割合であれば、シャンプーの頻度は関係ありません。
一方、ヘアオイルを塗りすぎたり、生活習慣や食生活が乱れたりしない限り、頭皮は毎日のシャンプーで脂っぽくなることはありません。
毎日髪を洗う必要性は、個人の習慣だけでなく、頭皮の脂の量やその日の髪の汚れ具合によっても変わってきます。
頭皮がオイリーな人は、1日に1~2回シャンプーすることで、皮脂が毛穴に詰まり、毛嚢炎になるのを防ぐことができます。
年長者や幼児など、頭皮の脂分が少ない人は、汚れやほこりが多い環境にいなかったり、汗をたくさんかいたりしなければ、必ずしも毎日シャンプーする必要はありません。
抜け毛の量がいつもと違うと感じたら、参考のために、毎日の抜け毛の量を記録するとよいでしょう。医師は、病歴、毛髪の抜き取り検査、皮膚鏡検査や血液検査、場合によっては生検を行い、異常脱毛の有無を判断し、適切な薬を処方します。
毎日のシャンプーが原因で頭皮や髪の状態が悪くなっている場合は、まず皮膚科を受診し、以下のことを確認しましょう。
1. シャンプーの際、指の腹でマッサージするのではなく、爪で頭皮をひっかいてしまう。
2. シャンプーが強すぎるなど、自分に合っていない。
3. コンディショナーやシャンプーを頭皮に使用したり、使用後に洗い流さない。
4. 水の温度が高すぎたり、髪を乾かすときのドライヤーが熱すぎたりする。
5. ヘアオイルやヘアスタイリング剤のつけすぎ。
6. 夜更かしや寝不足、強いストレスがある。辛いもの、揚げ物をよく食べる。
シャンプーの選び方
一般的なシャンプー選びのポイントは、「優しい」「シンプル」「無添加」です。
実際、選んだシャンプーの使い心地がよければ、そのまま使い続けることができ、変える必要はないです。医療用の特別なシャンプーは医師の指示に従って使用し、長期間の洗浄はお勧めしません。
頭皮のタイプによって、シャンプーの種類があります。
健康な頭皮:優しい製品を選び、適度に洗います。
オイリーな頭皮:頭皮がオイリーな方は、シャンプーは透明なものを選び、油分を含むものを使用しないことが望ましいとされています。そうでないと、油分が溜まってしまい、洗髪後に髪がぺしゃんこになってしまうことがあります。逆に脂を落とそうと洗髪回数が多かったり、洗浄力の強すぎるシャンプーを使うと、髪のパサつきや切れ毛の原因になることがあります。
乾燥している頭皮:シャンプーは優しいものを使い、汚れや皮脂を落とす力が強すぎるものは避けましょう。
病気の頭皮:脂漏性皮膚炎など、頭皮の炎症が多いときは、シンプルでやさしいシャンプーを選び、医師の指示がある場合は、薬用や抗アレルギー・鎮静成分が配合されているものを選ぶとよいでしょう。
周宛儀氏によると、特殊な薬用シャンプーを頻繁に使用すると、薬剤耐性が生じる可能性があるとのことです。また、ステロイド配合のシャンプーは、頭皮が敏感になったり、ステロイドによる副作用があるため、長期間の使用には適していません。このような薬用シャンプーを使用する前には、必ず皮膚科医に相談することをお勧めします。
シャンプー後のドライヤーはしない方がいい?
洗髪後にタオルで拭くだけだったり、乾かさずに寝てしまったりする人もいますよね。面倒でなく、楽である反面、健康面では不安が残ります。
民安漢方クリニックの李愛玲院長によると、「頭皮の健康を保つためには、水分を長時間放置しないことが大切」だそうです。濡れた状態で長時間放置すると、頭痛や、肩・首の凝りや痛みを引き起こしやすくなり、睡眠の質が低下すると説明しています。
特に、鼻アレルギーの人や体が冷えている人は髪を乾かすのが重要です。頭はすべての陽の経絡が集まるところなので、体内の12本の陽の経絡のうち6本は頭に沿っており、頭の湿気が経絡を伝わって他の部位に影響を与えやすくなっているのです。そのため、頭皮を長時間乾燥させないと、鼻のアレルギー症状を悪化させ、より複雑な冷えや湿気のある体質に変えてしまう可能性があるのです。この場合、ドライヤーで乾かすと、湿気も寒さも取れて一石二鳥です。
ドライヤーで髪が傷むと感じている方もいると思いますが、その対策は4つあります。
1. 濡れた髪はブローに時間がかかり、熱で傷んでしまうので、ブローの前に髪をタオルで拭いてよく乾かしてください。
2. 髪を傷めたり、頭皮に刺激を与えないように、ドライヤーの温度は高くしすぎないようにしましょう。
3. ドライヤーを頭皮に近づけすぎず、ドライヤーと髪の間を15cmほど離しましょう。
4. ブローするときは、一か所に固定せず、頭全体を均一にブローしましょう。
美之道皮膚科クリニックの邱品斉院長が行ったテストによると、同じ場所にドライヤーを10秒程度吹き付けると、温度が70℃以上に上昇し、頭皮に大きなダメージを与えることが分かりました。そのため、15cm程度の安全な距離を保ち、吹き付ける場所を動かし続けることが重要です。頭皮に熱がこもると、脂っぽくなってかゆくなったり、髪が傷んだりすることがあります。
(翻訳・呉思楠)
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