スクロヴェーニ礼拝堂のフレスコ壁画。(Shutterstock)

【芸術秘話】羊飼いから偉大な画家に――ジョット・ディ・ボンドーネ

ジョット・ディ・ボンドーネ(Giotto di Bondone)は14世紀のフィレンツェの偉大な画家であり、ビザンティン美術の形式を越え、現実味あふれる人物の自然な感情表現を描く最初の画家として、ルネサンス期の絵画に深く影響し、「西洋絵画の父」と呼ばれています。

ジョットは元々、フィレンツェの小さな村の農家の息子でした。少年だったジョットは、羊の放牧の時、よく石を手に取って岩の上に絵を描いていました。ある日、著名画家のチマブーエ(Giovanni Cimabue)がこの場所を通り、その生き生きとした羊の群れの絵に驚き、ジョットの父親にかけ合ってジョットを弟子にしました。これが、羊飼いの少年が巨匠への道を歩み始めたきっかけでした。

当時のローマ教皇ボニファティウス8世は、優秀な画家を求めていました。ある使者がジョットのところへやってきて、教皇に見てもらう絵を求めたところ、ジョットは赤い絵の具で大きな円を描いて使者に渡したのです。

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