董宇紅博士が語る「なぜ17人は感染しなかったのか」(1)
英国政府の「ワクチン特別任務組織」は、有志の健康な若者36人を集めて「新型コロナウイルスの人体挑戦試験」を実施しました。
ウイルス人工投与するも「半数は感染せず」
これは、実験の趣旨に賛同して協力を申し出た被験者に対して、その鼻腔に新型コロナウイルス(中共ウイルス)を直接注入し、感染の有無など、その後の経過を観察するものです。
実験結果は、被験者の約半数である17人が新型コロナウイルスに感染しなかった、という意外なものでした。
「ウイルスを直接注入したのに、なぜ感染しないのか?」
この実験結果は科学界の注目を集め、研究者の関心の焦点となっています。
これに関して、ヨーロッパのウイルス学の専門家であり、生物技術会社の首席科学家である董宇紅博士は、「今回の実験結果を詳細に分析し、被験者の心理面や精神面などの要因も含めて深く考察することは、今後、人間の抗ウイルス力を高める上で重要な視点になります」と述べています。
以下は、董宇紅博士へのインタビューの概要です。
被験者は「基礎疾患のない若者」
英国ロンドンのロイヤル・フリー病院(Royal Free Hospital)で実施されたこの実験では、被験者の安全を第一としたうえで、18歳から29歳までの、健康で免疫力のある若者36人を被験者としました。
「人体挑戦試験」と呼ばれたこの実験の流れは、厳密に管理されています。
各被験者には実験前に2~3カ月のスクリーニング期間が設けられ、基礎疾患がなく、健康であることが事前に確認されています。
なお、今回の実験に参加した36人は、新型コロナウイルスのワクチンを1回も接種したことがありません。
実験方法は、被験者の鼻腔にウイルスを直接注入した後、毎日その喉と鼻からサンプルを採取してウイルスの濃度を測定するとともに、血液を採取して血清中の抗体の有無を検査します。
「ハスの葉」のようにウイルスを弾く
結果は、新型コロナウイルスを全く同じ条件で吸入した36人の被験者のうち、明らかに感染したのは18人でした。
他の18人のうち、1人は血清中に抗体が出現したものの発症せず、17人は全く感染していませんでした。感染結果は、以下の3つに分類されます。
1 全く感染していない 17名
彼ら17名の咽頭にはウイルスは検出されず、血清中にも抗体は認められませんでした。
このような人の免疫力は強力です。その体はちょうど「ハスの葉」のようで、水滴が乗っても、それをはじいて受けつけないのです。
それはまさに『孫氏の兵法』でいう、ウイルスに対し「戦わずして勝つ」を具現しています。
2 無症状感染者 1名
ある被験者1名は、咽頭にウイルスは検出されませんでしたが、血清中に抗体が出現していました。それ以外の関連症状は示していません。
このケースは、体がウイルスとの「硝煙のない戦い」を経験したものの、早期に体が勝利したものと見られます。このような人も、免疫力がよく反映されていると言えます。
3 ウイルス感染者 18名
被験者36名のうち18名が、軽度または中等の症状があり、血清中に抗体が認められました。その後、最終的にはウイルスが取り除かれて、体の免疫系が逆転勝利しました。
18名は、炎症反応のため一時的に苦しんだり、免疫細胞の「死」などの代償を払いましたが、さいわい重症化までは至りませんでした。
このような人の免疫力は、まだ良いほうであると言えます。
(次稿に続く)
(口述・董宇紅/翻訳編集・鳥飼聡)