中国共産党、統一大市場の建設を主張 計画経済の復活か
中国共産党の最高指導機関である共産党中央委員会と国務院(内閣に相当)は10日、「全国統一大市場の建設加速に関する意見書」を公表した。一部の専門家は、意見書は中国政府が計画経済体制を再開するシグナルであるとの認識を示した。
同意見書は、「全国統一の市場制度とルールの確立を加速し、地方保護と市場分割を打破し、経済の循環を制限する鍵となる行き詰まりを打開し、商品や資源などの円滑な流れをより広い規模で促進し、効果が高く規範的で、公正に競争でき、完全に開放された全国統一市場の建設を加速する」と求める。
中国政府系メディアは、意見書について「市場経済の発展に有利である」と主張した。その一方、11日のマーケットは正反対の反応を示した。同日の中国国内株式市場では、各主要指数が軒並み下落した。上海総合指数は前営業日比2.61%安、深セン成分指数は同3.67%安、創業板指数も同4.2%安となった。創業板指数は取引中、2020年7月以来の安値を一時更新した。
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