ロール式自動ピアノ。 (Shutterstock)

西洋音楽史に大きな足跡を刻む ピアノの歴史 (3)

1904年、ドイツ人のヴェルテという人物が、どんなピアニストの演奏でも鮮明に記録できる、ピアノ・ロールを発明しました。そのためこの自動ピアノは「ピアノラ」と呼ばれ、当時のおしゃれなピアノになったのです。これは音楽史のターニングポイントで、リサイタルでは、目に見えない人間が驚くべき速さで自動的に鍵盤を叩くようになりました。

観客は演奏者を見ることができず、まるでピアノの巨匠、リストの幽霊がそこで演奏しているかのようでした。しかし一斉を風靡した自動ピアノもだんだん衰退の道を歩み始めました。というのも技術が進歩し、蓄音機、ラジオが現れ、蓄音機には勝ったのですが、ラジオには負けてしまいました。20世紀前半の50年間は、ラジオのハイファイ(高忠実度)がすべての録音製品を上回っていました。

19世紀のピアノ製造は、18世紀の一つの技術から産業に発展しました。基音(ピッチ)がモーツァルト時代の412ヘルツから435ヘルツに向上し、ピアノのフレームやハンマーや弦も、以前より頑丈になり、ピアノの黄金時代が到来しました。

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