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ノーベル賞受賞者:5つの事が老化を早める 老化防止の1つの鍵

現代医学は、どのように人体の老化現象を理解しているのでしょうか。最先端の科学者は、「体内時計のコントローラー」である「テロメア」を発見しました。テロメアに悪いダメージを与えるものとは何か、そしてそれを改善するにはどうしたらよいのでしょうか。

 

老化は「体内時計コントローラー」が制御している

生物学的な観点から見ると、加齢、老化、病気、死は進行性で不可逆的なプロセスです。老化は、細胞構造の変性によって特徴付けられます:例えば、細胞の数が減少し、サイズが縮小することです。

遺伝子の複製や転写が、テロメアやテロメラーゼ酵素の影響を受けていることが科学的に解明されたのです。このテロメアとテロメラーゼが染色体を守っているため、科学者はテロメアを「体内時計の制御装置」とも呼んでいます。

細胞は分裂するたびにテロメアを少しずつ縮め、テロメアが短すぎてそれ以上縮められなくなると、細胞は分裂できなくなり、死んでしまうのです。したがって、テロメアの縮小を遅らせる方法が見つかれば、老化の進行を遅らせることができるのです。

分子生物学者でカリフォルニア大学サンフランシスコ校の生化学・生物物理学教授であるエリザベス・ブラックバーン氏は、2009年にノーベル生理学・医学賞を受賞し、その後、著書『テロメア・エフェクト』を執筆しています。彼女はこの本の中で、人間の思考パターン、つまり心のパターンがテロメアに影響を与えること、そして思考パターンの悪さがテロメア損傷の重要な要因であることを、科学的な観察・実験によって明らかにしています。

 

細胞分裂によってテロメアは短くなり、これ以上短くできなくなると細胞は分裂できなくなり、死んでしまいます。(健康1+1/大紀元)

 

テロメアを損傷させる5つの行動

1.冷笑的な敵意

冷笑的な敵対心とは?例えば、強い怒りを感じ、頻繁に憤慨し、他者(特に友人や職場の同僚)を見下す、などです。

この結論はどこから来るのでしょうか。ブラックバーン氏はイギリスの公務員を対象に調査を行い、「冷笑的な敵意」が多い男性は、少ない男性よりもテロメアが短いことを発見しました。

2.悲観論

悲観論はテロメアに非常に悪い影響を与えます。比較的小規模の研究で、ブラックバーン氏は35人の女性を調査し、悲観主義のスコアが高い人はテロメアが短いことを発見しました。また、千人以上の男性を対象とした別の研究では、悲観主義は大きな健康上のリスクであることが示されました。悲観主義者ががんや心臓病など加齢に伴う病気にかかると、病気の進行が早くなる傾向があります。

3.考えすぎる

多くの人の心は、常に何かを考え、不安や自己嫌悪に陥っていることが多いようです。例えば、家族間の葛藤や対人関係で頭がいっぱいになることが多い人もいます。

研究によるとこれらの問題に執着することは、体の免疫細胞に影響を与え、テロメアを短くすることも研究でわかっています。また、反芻(はんすう)が多い人は、寝起きに鬱や不安を感じることが多く、これもテロメアの短さと関連しています。

4.思想の抑制

誰にでも何かに頭を悩まされることはあります。時にはその不快な思いを解決しようとせず、積極的に押し込めたりすることもありますが、こういった事もテロメアの長さに影響を及ぼします。

ハーバード大学の社会心理学者、故ダニエル・ウェグナー氏は、ロシアの文豪トルストイのこの言葉を引用しています。

「もし北極熊のことを考えないようにすれば、その後は毎秒、頭の中が北極熊でいっぱいになることに気づくだろう」

つまり、思考を強く押しのければ押しのけるほど、思考はあなたの注意を奪っていくのです。

5.上の空になる

上の空になることもまた、気を抜くことです。ご存知のように、優れた科学者には昔から集中力のある人が多く、東晋の有名な書家、王献之が書を書いているとき、父親の王羲之が後ろから静かにペンを引こうとしたが、引けなかったというから、書に対する集中力があることがわかります。

しかし現在、外的な影響により、多くの人は気が散りやすいです。ブラックバーン氏の研究によると、人が集中して今この瞬間に集中できないとき、それはテロメアの長さにも影響することがわかりました。

 

老化を加速させる5つのメンタルパターン。(健康1+1/大紀元)

 

テロメアを長くして老化に対抗する方法

ブラックバーン氏の実験は、私たちに大きな示唆を与えてくれました。ポジティブに考えれば、健康は改善されるのです。

ブラックバーン氏は本書の最後に、非常に重要なことを述べています。ネガティブな思考は、先に述べた5つの現象のように、テロメアを縮ませますが、人は思考を意識することでそれを変えることができるのです。

敵対的な状態にあることに気づいたとき、あるいは考えすぎて思考が抑制されていることに気づいたとき、自分自身を目覚めさせることができれば、テロメアを変化させ、老化を遅らせ、寿命を延ばすことができるのです。

ブラックバーン氏が「自己覚醒」と言っているのは、実は中国の伝統的な儒教でいうところの「一日三度自分のことを考える」ことなのです。1日に3回、今日の悪かったところを考える–古代の人々は、毎日たくさんのことを自分に要求していました。今は忙しい毎日ですが、せめて1日1回は考えてもいいのではないでしょうか。悪い考えや行動を改めることで、テロメアの長さを改善することができるのです。

(翻訳・香原咲)

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