乳がんの治療は大きく進展し、手術後も胸の形は変わらず、化学療法でも髪の毛は抜けません。従来の乳がんの治療法は、手術、化学療法、放射線療法で、この3つの治療法は私たちの意識にまだ固定観念として残っています。
乳がんの手術を受けることに抵抗がある女性は少なくありません。かつて乳がんの治療では、乳房の完全切除が優先され、患者は術後何年たっても劣等感を抱え、水泳を避けたり他人との交際も避けるようになるというケースも少なくありませんでした。
しかし、現在の乳がんの手術は大きく変わってきています。従来は完全に切除する必要があった大きな腫瘍も、化学療法などで非常に小さな腫瘍にし、部分的に切除することができるようになりました。
また切除後、少し凹んだ部分にコラーゲンを充填することもできます。患者の乳房の形は、小さな傷跡を除いて、基本的に手術前と手術後では変わりません。
化学療法には吐き気や嘔吐などの副作用がありますが、女性にとって最も心配なのは髪を失うことでしょう。しかし、これも化学療法の進歩は目覚ましく、「化学療法後に髪の毛が抜けない治療法もある」と江坤俊氏は言います。食事や運動をしっかりしていれば、化学療法中は親しい友人でも違いがわかりにくいものです。
乳がんの放射線治療というと、以前は「乳房が黒くなる」「水ぶくれができる」「潰瘍ができる」というイメージがありました。しかし、現在では陽子線治療などの新しい放射線治療法があり、副作用が大幅に軽減されています。また、対象となる患者には、切開と同時に短時間で、病変部以外の皮膚を傷つけずに「術中放射線治療」を行うことも可能です。
従来の治療法に加え、現在では新しい標的治療法も登場しています。標的療法は腫瘍を攻撃し、他の正常な細胞にはあまりダメージを与えません。
乳がんの患者が、肺に転移があり、乳房に10センチほどの傷があり、膿が出ている状態で来院しました。 しかし、彼女は化学療法も手術も望んでいませんでした。幸い、彼女の場合は、ある標的薬を服用することができ、そのあと、2週間に1度クリニックに来て薬を受け取り、仕事に行き、普通に生活することになりました。
4か月後、彼女の腫瘍は1/10以下に縮小し、肺がんもほとんど消え、毎朝、外でジョギングをするまでになったのです。
江坤俊氏は「どのステージにいても、自分をあきらめないこと」と述べ、乳がんは早期に発見すれば基本的に治るものであり、進行していても薬で十分にコントロールできることを強調しています。
(翻訳・井田千景)
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