2020年1月2日、ワシントンD.C.にある連邦捜査局(FBI)の本部 (Samira Bouaou/The Epoch Times)

FBIによる米国人データの「令状なし捜査」 20年から21年にかけて倍増

国家情報長官室(ODNI)が4月29日に発表した報告書によると、米国人の通信に対するFBIの捜査件数は、2020年から2021年にかけて倍増した。

ODNI報告書は、米国情報機関による外国情報監視法(FISA)第702条の使用実態について詳述した。第702条は、米国のインターネットサービスプロバイダが保管する電子通信コンテンツに対して令状なしの監視を許可している。

「今年の報告書では、国家安全保障局(NSA)が収集した生データ、即ち、文書処理前の702条コレクションに対するFBIの使用履歴を追跡し、今回はじめて報告した」と、ODNIは述べている。

報告書によると、FBIは第702条の権限を用いて2020年に130万人の米国人のデータを収集した。2021年には約340万人とその数は増大した。

FBIの高官は「膨大な数ではあるが、この脅威の具体的な内容は、潜在的な被害者の中に米国人も含まれており、ロシアが誰かを標的にしているということである。その誰かを特定するために、FBIの702コレクションと照合した」と語っている。また、バイデン政権の職員たちは、「FBIの捜査が活発化したのは、2021年を通じて行われたロシアのサイバー攻撃のためだ」と語ったということだ。

報告書には、「FBIは、他の機関とは異なる方法で702条のデータを追跡しているため、同局の監視網にかかった米国人の正確な数を追跡することは難しい」という。また、FBIのデータには固有のばらつきがあるため、これらの統計はNSA、CIA、NCTCとは別に報告されている。主なばらつきは、FBIのクエリー用語のカウントに係るもので、同じ用語が重複してカウントされた可能性があるとした。

ロン・ワイデン上院議員は4月29日、この報告書に反応し、FBIに対してもっと詳しい説明を求める声明を発表した。FISA 702条は、議会で再承認されない限り来年失効することが決まっている。

ワイデン氏は「米国政府以外の人間にとって、FBIが米国人の通信を天文学的な数字で捜査している事は非常に憂慮すべきでもあり、まったく意味のないことかもしれない。このような過剰にカウントされた数字の中にFBIの捜査件数があるのは間違いない。702条が再承認される前に、議会と米国民はこの数字を明らかにしておくべきである」と語った。

さらに、「2021年にFBIが行った190万件もの驚異的な追加捜査の特殊な状況についても、FBIは透明でなければならない。最後に、FBIが長年にわたって行ってきた702条の捜査権限の広範な乱用に対する改善対策についても、国民は知る権利を有している。連邦政府が、このような広範な監視権限を保持したいのであれば、基本的な要件である透明性の確保は不可欠である」とワイデン氏は指摘した。

 

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