犬と同じベッドで寝る飼い主もいるが、専門家は「子犬から人へ、治らないスーパー耐性菌が広がる可能性がある」と警告しています。(Shutterstock)

子犬と寝る時 スーパー耐性菌の感染に要注意

英紙『Daily Mirror』によると、mcr-1遺伝子を持つ細菌は、動物の排泄物からヒトに感染する可能性があるといいます。この遺伝子は2015年に中国で初めて発見され、すでに多くの薬剤に対して耐性があります。

ポルトガルのリスボン大学が行った研究では、2年間にわたり採取した、80世帯102匹の猫または犬とその飼い主126人の検便サンプルをもとに調査しました。

その結果、8匹の子犬と4人の飼い主がmcr-1遺伝子の宿主であることが判明しました。子犬のうち3匹は健康に見えましたが、残りは尿路感染症などの問題を抱えていました。

この研究を率いたジュリアナ・メネゼス博士は、「コリスチン(多剤耐

性グラム陰性桿菌に起因する重篤感染症の治療抗菌薬)が、他のすべての抗生物質が効かなかったときの、mcr-1遺伝子に対する最後の砦となっている」と述べました。

すべての薬に耐性を持つ細菌がこの耐性遺伝子を獲得すれば、治療不能となりかねない。それは何としても避けたい事態だ」とメネゼス氏は言います。

2019年、世界保健機関は、世界では毎年最大70万人が薬剤スーパー耐性菌によって死亡していると指摘しました。もし人間が行動を起こさなければ、2050年までに毎年1000万人がスーパー耐性菌により亡くなる可能性があります。

子犬との密な接触は控えましょう

『Daily Express』誌によると、子犬の口は汚れており、子犬に体をなめさせると、あらゆる種類の細菌や歯周病がうつり、健康が危険にさらされる可能性があると専門家が指摘しているそうです。

歯科矯正医カレド・カセム(Khaled Kasem)氏は、子犬は歯を磨いたり、口をすすいだりせず、歯医者にも行きません。彼らの日課は、床に落ちている食べ物を食べたり、お尻を舐めたり、歩道で動物の死骸などがないか調べることなので、口の中は汚れていると言います。

それが続くと、子犬の口の中に細菌が蓄積されます。ほとんどの細菌は無害ですが、人間に病気をもたらす寄生虫や細菌を舐めてしまうことがあるとカセム氏は言います。

腸の病気を引き起こすばい菌をもらうだけでなく、そのばい菌が歯や歯茎に転移して歯周病を引き起こすこともあるそうです。

カセム氏は、子犬からの過度なスキンシップを避け、子犬からキスをされたら、すぐに歯磨きをして細菌を除去することを勧めています。

(翻訳者・呉 思楠)

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