運動、十分な睡眠、果物や野菜、食物繊維が心臓の健康に良いことは周知の事実ですが、この成功の組み合わせにさらにいくつかのスパイスを加えることも検討すべきです。私たちが風味付けに使っているいくつかのスパイスについて、心臓に良いという研究結果がありました。

何千年もの間、人々はハーブやスパイスに興味を持ち、利用し、世界中のさまざまな社会や文化の中で親しまれてきました。近年、研究者たちはこれらの植物の根強い人気の理由を掘り下げ、その多くを「科学的」と称するようにもなりました。

その中でも、カルダモン、パクチー、生姜、ウコンという4種類のスパイスは、心臓の健康に役立つという民間伝承が信頼できるかどうかを調べるために、インドの研究チームの注目を集めました。そして、その結果を国際学術誌『Current Pharmaceutical Design』に発表し、この4つのスパイスが「心血管疾患の予防と制御に有効」であると結論づけました。これらのスパイスの具体的な効果は次のとおりです。

1．カルダモン

カルダモン（Amomum subulatum Roxb）は、ブラックカルダモンとも呼ばれ、吐き気、嘔吐、胸やけ、下痢などの胃腸障害を緩和することで知られています。しかし、心臓病においても、カルダモンはいくつかの注目すべき特性を示しています。

2012年にインドの専門家が虚血性心疾患の患者を対象に行った研究では、患者を2つのグループ、1日3gのカルダモンを摂取するグループとプラセボを摂取するグループに分け、12週間にわたって調査を行いました。カルダモンを摂取した人は、コレステロール値とトリグリセリド値が改善され、抗酸化物質レベルと線溶活性（個体である繊維素が液体の状態に溶けること）が有意に上昇したのに対し、プラセボを摂取した人はこれらの数値に大きな変化がないことがわかりました。

カルダモンの摂取方法としては、インド料理（カレーなど）、果物、シロップに加えるのが最適です。カルダモンはインドの紅茶にもよく使われ、パクチー、生姜、ウコンなど、心臓によいスパイスとよく混ぜ合わされます。

2．パクチー

パクチーは、ハーブとしてのパクチーの葉と、スパイスとしてのパクチーの種子を乾燥させたものの2種類が食用にされています。2011年に『Journal of Ethnopharmacol』に掲載された研究では、パクチーの種が悪玉コレステロール（LDL）、トリグリセリド、総コレステロールのレベルを下げることが可能と示されました。

パクチーを摂取する機会は多く、生のものはスパイシーなトマトソースやサラダなど様々な料理に使えますが、乾燥させたパクチーもドレッシングやインド料理、ピクルス、スープなどのレシピによく使われています。自然健康専門家のジョセフ・マーコラ（Joseph Mercola）博士は、パクチーの種を丸ごと購入し、自分で挽くことを勧めています。その際は風味がすぐに飛んでしまうので、食べる直前に種を挽くのがベストです。

3．ウコン

ウコン（Curcuma longa）は、その主な有効成分であるクルクミンの代名詞として、インド料理でよく使われる香辛料として知られています。しかし、ウコンの効果は、食事の味を引き立てるということだけではありません。実際、心臓専門医のスティーブン・シナトラ（Stephen Sinatra）博士は、ウコンの強力な抗炎症作用と抗酸化作用から、心臓の健康のためにウコンを提唱しています。

2008年に『Drugs in R&D』に掲載された研究では、クルクミンにはコレステロール低下剤であるアトルバスタチン（通称リピトール）と同等の血管内壁の浄化・改善作用があることが示されました。血管の内壁の機能不全は、高血圧や血液凝固などの心臓病と密接な関係があるため、この効果は極めて重要です。

また、イランの専門家が冠動脈疾患患者を対象に行った2015年の研究では、クルクミンが悪玉コレステロール（LDL）と中性脂肪の値を下げる効果があることが示されました。

4．生姜

自然医学の専門家であるジョシュ・アックス（Josh Axe）博士は、生姜は「現在世界で最も広く使われている食用調味料」であり、カルダモンやウコンと同様に心臓によく、治療効果は4700年以上も続いていると述べています。

生姜の健康効果は、抗炎症作用や抗酸化作用を持つジンゲロールという化合物に起因しています。特に生姜、玉ねぎ、にんにくの組み合わせは、血栓対策や心筋梗塞・脳卒中の予防に有効です。しかし、生姜は単体でも人間の心臓にとても良いのです。朝のスムージーに生姜のスライスを入れたり、ジンジャーティーを楽しんだり、お気に入りのレシピにジンジャーパウダーを加えたりしてみてはいかがでしょうか。

普段の食事にスパイスを加えることは心臓に良い影響を与えますが、オーガニック認証を受けたスパイスであるかを確認してから使用してください。

（翻訳編集：春野瑠璃）