10月17日、スペイン沖合で液化天然ガス(LNG)の荷揚げを待つ船の渋滞が起きている。5月19日撮影(2022年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)

スペイン沿岸でLNG船が渋滞、設備不足で調達に目詰まり

[ロンドン/マドリード 17日 ロイター] – スペイン沖合で液化天然ガス(LNG)の荷揚げを待つ船の渋滞が起きている。ロシアが制裁に反発して欧州への天然ガス供給を削減する中でLNGなど代替エネルギーの確保が急務になっているが、LNGの再ガス化設備の不足が調達に目詰まりを引き起こしている。

貿易業者やアナリスト、LNG基地の関係筋が17日話したところによると、スペイン沖や地中海周辺には35隻以上のLNG船が漂流しており、カディス湾だけでも少なくとも8隻が停泊している。

ある業界関係者によると、スペインは今週、再ガス化基地でLNG貨物の受け入れ枠をわずか6枠しか提供しておらず、これは同国沖で列をなしている船舶の5分の1以下しか満たせないという。スペインには全部で6つの基地がある。

スペインの天然ガス網管理会社エナガスは、17日に「例外的な操業状況の宣言」と題する文書を発表、基地の容量超過のため、LNGの荷揚げを拒否しなければならないかもしれないと表明した。

他の欧州諸国の周辺でもLNG船が停泊しており、さらに数十隻が待機している可能性があると、状況を知る関係者は述べた。

欧州経済の減速に伴う工業用ガス需要の減少や、季節外れの暖かさでスペインのガス消費が予想を下回る水準にあることが、調達の目詰まりに拍車をかけている。

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