EU首脳、中国への経済依存に懸念 ロシア問題で苦い経験
[ブリュッセル 21日 ロイター] – 欧州連合(EU)は21日、ブリュッセルで開いた首脳会議2日目の討議で、ロシアへのエネルギー依存を高めたことによる苦い経験を踏まえ、中国への経済依存に懸念を示し、団結した厳しい対中姿勢が必要との考えを示した。
EUは2019年以降、中国をパートナー国、経済的な競合国、システミックなライバル国と公式に見なしている。
フランスのマクロン大統領がEUは中国にインフラを売却するという「戦略的な誤り」を犯していると述べたほか、欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、EUはロシアに依存したことで教訓を学んだため中国に対し警戒する必要があるとし、「中国の場合は技術や原材料に依存するリスクがある」と指摘。EUは生産能力を高め、信頼できる供給源にシフトしなければならないと述べた。
フィンランドのマリン首相も、EUは革新的な技術への依存を回避し、代わりに民主主義国家間の強固な協力関係を促進する必要があるとの考えを示した。
このほかラトビアのカリンシュ首相は、ロシアによるウクライナ侵攻について、中国が「歴史の正しい側に位置している」ことを確認するために、中国と対話を行うことが重要になると語った。
こうした中、ドイツのショルツ首相は企業代表団とともに訪中すると表明。企業代表団を伴って訪中することについて、このような訪問には常に企業代表団が伴うと述べた。
ショルツ氏はこれまでも、天然ガス価格の上限設定や、消費者と企業をエネルギー価格の高騰から守るための2000億ユーロ支援策などを巡り、他のEU諸国からの圧力に直面している。
関連記事
英国のフィリップソン教育相は、中国による高等教育機関への影響について警戒を呼びかけている。庶民院での議論では、中国が公的機関や企業、大学にまで浸透している実態が指摘された。
12月17日、英国改革党リフォームUKのナイジェル・ファラージ党首は、イーロン・マスク氏が同党への政治献金を「真剣に検討している」と明かした。同党は、イングランド北部や東部、ウェールズで選挙活動を拡大し、次の地方選挙での躍進を目指している。
シリアのアサド政権崩壊が、中国人の間で議論を巻き起こしている。中共の友人であったアサド政権の急速な崩壊は、独裁政権の脆弱性を象徴し、中国でも同様の変化が起こる可能性を示唆。ネット上では中共の崩壊を期待する声も
フランス・パリのノートルダム大聖堂は、壊滅的な火災から5年で再建を終え、12月7日に再開した。フランスのマクロ […]
EUはTikTokに対して、ルーマニア選挙関連のデータを凍結するよう命じた。これはデジタルサービス法に基づく措置である。親ロシア派のカリン・ジョルジェスク氏が選挙で意外な勝利を収めた後、EUと米国は外国の干渉について懸念を表明。