「1日1万歩」は、有益な生活習慣であり、多くの人が実践しています。
しかし、1万歩を歩くといっても、人によってスピードが異なり、効果も大きく異なります。1万歩を達成するには、どのような速度や頻度で行うのがベストなのでしょうか。
歩かないより歩いたほうが長生きする
ウォーキングの時間と速度を上げると、全死亡率といくつかの病気のリスクが減少する事は、多くの研究で裏付けられています。
デンマーク、オーストラリア、アメリカの研究者による共同研究では、英国の40〜79歳の成人7万8500人から、ランニングウォッチを用いて具体的かつ継続的なデータを収集しました。さらに、このデータを平均7年間追跡し、がん、心血管疾患、認知症を発症した人、死亡した人を統計し、毎日の歩数やペースが人の健康にどの程度影響するかを明らかにすることを目的とした研究を行いました。
統計によると、1日の歩数が増えるほど全死亡率が減少することが分かりました。死亡率の低下は、1日の歩数が約1万歩に達したときに最も大きくなり、同時に1日1万歩歩く人が最も死亡率が低い事がわかりました。
1日に1万歩を歩く活動的な人は、全体の5人に1人程度です。しかし、たとえ歩数がそれほど多くなくても、歩かないよりは効果があります。1万歩の範囲内で2千歩増えるごとに、全死因死亡率が8%、がん死亡率が11%、心疾患死亡率が10%減少するというデータも出ています。
速く歩くのか、長く歩くのか
一番効果が得られるのは、長さや距離よりも、歩く速さを目標にすることです。
人が歩くスピードは、一日のうちでも速くなったり遅くなったりと様々です。そこで、実験では、各人の1日のうちで最も速い30分間の歩調をカウントすることも行いました。1分間の平均歩数が52歩未満で30回歩いた人を最遅歩行者、96歩以上歩いた人を最速歩行者と分類した結果、後者では、死亡者数が有意に少なくなっていました。これは、速く歩くことがより大きな死亡率減少につながることを示唆しています。
正しい歩き方を知り、認知症を予防しましょう!
次に、科学者たちは同じデータ群を用いて、ウォーキングが認知症に与える影響を深く研究しました。
人の認知症リスクは、最大結果である1日9千800歩に達すると51%減少し、それ以下やそれ以上では効果が小さくなります。つまり、認知症のリスクを軽減したいのであれば、できるだけ多くの歩数を確保しましょう。
1日9千800歩を歩くことは、多くの人にとって難しいことかもしれません。しかし、この研究は、たくさん歩く時間や手段がない人にとって、少なくとも1日3千800歩は、認知症のリスクを最大25%減らし、価値ある最低目標となりうることも示唆しています。
また、認知症の有病率を下げるには、9千800歩を歩くよりも速く歩く方が効果的であることがわかりました。統計によると、1分間に112歩の速度で歩くことが、認知症の有病率を62%減少させるのに最も効果的であるといいます。1分間に112歩、歩くと、1秒間に2歩弱歩いているのに相当します。
(つづく)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。