新しい研究によると、私たち人間の誰もがNASAよりも優れた計算能力を持つ「スーパーコンピューター」を脳内に持っていることが分かりました。
では、何故こう言えるのでしょうか?例えば、コーヒーを持って走りながら、バスに乗ろうとします。これは一見普通の行動のように見えますが、実は、脳細胞は現在の速度、位置、方向などの情報を総合分析し、数十億の複雑な計算をしなければなりません。これはすでにNASAの計算能力を超えています。人間の脳は常に人類の研究課題であり、そして、解明することのできない謎とされています。
「ネイチャー・コミュニケーションズ(NatureCommunications)」で発表された今年の研究によると、連続アトラクタ神経回路網(CANと略される)に関する5年間の研究で、画期的な発見がいくつかあったといいます。
研究者の1人であるノルウェーの王立フレデリック大学(University of Oslo)のシャ-ロット・ボッカラ氏は、「私たちは、人間の脳が実際に『オタク細胞(Nerd cells) 』またはCAN理論によって提唱された『超計算機』(スーパーコンピューター)を含んでいることを明確に証明した最初の研究者である。速度、位置、方向を同時に計算する神経細胞を発見した」と述べました。
研究者は、動き回っているネズミの脳内の異なる領域に散在する1400個の神経細胞からの信号を記録しました。
「ネズミの脳に薄い電極を持つ測定針を埋め込み、脳の活動を読み取る実験を行った。ネズミは迷路の中を自由に動き回り、食べ物を探し、私たちはカメラでその一連の動きを追跡し、脳の活動信号とともに分析を行った」とボッカラ氏は説明しています。
何年も前に、科学者たちはCAN理論を提唱しました。CAN理論によると、人が日常生活で移動するとき、脳内には周辺の地図があり、常に自分の位置情報が更新されています。そして、脳内の神経細胞の隠れたネットワークが複雑な計算を行い、速度、位置、および方向に関する膨大な量の情報を統合しているといいます。
「これまで、隠れ層の存在を証明する明確な証拠はなかったが、今、私たちは『オタク細胞』が実際に存在するという確固たる証拠を見つけた」と研究者は述べています。
また、認知機能低下に関連するアルツハイマー病などが発症する時、この隠れ層が最初に破壊される部分だというのです。
「これらの細胞は現在の位置と移動する方向を教えてくれるので、機能しなくなると、人は混乱してしまう」とボッカラ氏は話しました。
しかし、なぜこれらの細胞が脳のさまざまな領域に分散しているのか、これらの細胞はいくつもの任務を同時進行できるのかなど、現在、まだ多くの謎が解明されていません。
この他に、近年の研究で、睡眠の質が悪いと、人間の脳の計算能力にも影響を及ぼすことが明らかになりました。
ボッカラ氏によると、「睡眠不足により脳の思考速度が低下する時、これらの細胞にどのような影響をもたらすのかが今後の研究課題である」そうです。
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