カリフォルニアのセントラルバレーに広がる太陽光パネル (Photo by ROBYN BECK/AFP via Getty Images)

カリフォルニアの生態系を破壊するグリーン官僚 1

カリフォルニアの政策エリートは、自分たちこそ、このカリフォルニア州こそが世界で最も環境に配慮しているのだと考えている。しかし、実はそうではない。善意からではあっても誤った政策、そしてそこに環境保護を隠れ蓑にした利権の思惑が重なり、「環境保護主義」は環境に良い影響を与えるどころか、むしろ悪い影響を与えてきた。

環境保護主義者の唱える政策には明らかに疑わしいものもあるが、気候変動対策という名目で正当化されている。その典型的な例が、カリフォルニア州が電力網を「再生可能」エネルギーに変換するために費やしている数千億ドルである。もしゼロエミッションの主張がなければ、何千平方マイルにも及ぶ風力タービン、何百平方マイルもの太陽光発電アレイによって土地が覆いつくされることなど、誰も支持しないだろう。

しかし、気候の緊急事態というシナリオが受け入れられたとしても、自然エネルギー開発が環境に及ぼす影響は、今後数十年間に直面する現実的な気候危機と同等か、あるいはそれ以上に悪くなる可能性がある。それでも問題ないのだろうか。カリフォルニア州の住宅、商業、工業、運輸部門のエネルギー源を100%電気に転換するためには、同州の発電量を2倍、3 倍にしなければならない。その場合の環境に対する長期的コストはどの程度であろうか。このエネルギー転換を風力や太陽光による発電技術だけで実現しようとすれば、同州の既存の風力発電と太陽光発電の能力を少なくとも10倍に増やす必要がある。このときの環境コストはどのくらいだろうか。

▶ 続きを読む
関連記事
「社会主義は再びアメリカを幸福にできるのか?」何億人もの死者、悲惨な生活環境、個人の自由の剝奪をもたらしてきた、最も抑圧的な統治形態が、いったい誰を「より幸福」にできると、まともな判断力を持つ人間が信じるというのだろうか。
ダーウィンの進化論がいかにして生命の神聖さを否定し、現代における人工妊娠中絶の容認や優生思想へとつながっていったのかを論考。唯物論的価値観が生命の尊厳を破壊してきた歴史的・倫理的背景に鋭く切り込む
組織文化の崩壊を招く真因は制度の不備ではなく指導者の行動にある。形骸化した理念や表面的な対話を排し、自らの姿勢を正す勇気を持てるか。30年の経営実績を持つ著者が問うリーダーシップの本質
政治的分断が食の世界にまで及ぶ現代アメリカ。投票先ではなく農法や土壌の再生で生産者を評価すべきだと訴え、健全な土壌のように多様性を認め合い「隣人」として手を取り合う重要性を説くオピニオン記事
ガザ地区の惨状をめぐりイスラエルに向けられる「ジェノサイド」批判の虚構を、歴史的経緯と人口動態、ハマスの戦略から米歴史学者が鋭く論破。2005年の完全撤退以降の事実から、事態の本質と深層を浮き彫りにする