2020年3月10日、国会議事堂で開催された「中国における臓器調達に関する政策フォーラム」に出席するクリス・スミス下院議員 (Samira Bouaou/The Epoch Times)

米下院委、中国共産党による臓器狩り禁止法案 全会一致で可決 本会議審議へ

米下院の外交委員会は2月28日、中国共産党が主導する強制臓器摘出に対処する法案を全会一致で可決した。今後、審議入りする下院での早期可決を目指す。

「2023年強制臓器摘出停止法案(Stop Forced Organ Harvesting Act of 2023)」は、生きたまま臓器を摘出する「臓器狩り」に加担した者に対して、米国への入国や米国内での金融取引を禁じる。また国外で行われた臓器収奪について議会に報告するよう国務長官に求める。

法案を提出したクリス・スミス下院議員は声明で「人々はようやく中国共産党の残虐性に気付き始めた」「米国、特に医療分野は、この最も凶悪な犯罪に加担しているか検証しなければならない」と述べた。

中国共産党は、生きている良心の囚人から臓器を摘出し、海外からの観光客や国内の高官などに移植することで、巨万の富を築いている。

2019年にイギリスで行われた独立民衆法廷「中国民衆法廷」は中国共産党の一党支配に置かれている中国本土では、長年にわたり移植手術を目的とした「強制的な臓器摘出が、相当な規模で行われている」と結論を下した。臓器狩りの主な犠牲者は法輪功学習者だとした。

法輪功は「真善忍」という3つの理念を指針とする中国の伝統的な修煉法。急速に人気を集めたことを恐れた当時の中国共産党総書記・江沢民が1999年に弾圧政策を実施して以降、学習者は拷問や臓器収奪の犠牲者となっている。

スミス氏は「中国共産党は、この方法で数十億ドルを稼ぐことができ、また自分たちの臓器も入れ替えることができると気づいた」と大紀元の姉妹メディア新唐人に語った。

中国高官が昨年発表した中央委員会元副主席・高占祥氏への追悼文は「臓器の入れ替え」について言及している。朱氏は高氏が体中の臓器を移植しており「『私の体の臓器は、ほとんど入れ替えたものだ。その多くが自分の臓器ではない』と冗談を言っていた」と明かした。

スミス氏はまた、中国は現在でもオンデマンドで臓器移植を受けることが可能だと強調。「もし、習近平が明日病気になり新しい肺が必要になったら28歳の法輪功学習者やウイグル人の肺をもらうことになるだろう」

違法な臓器売買は年間8億4000万ドルから17億ドルを生み出していると、米国の民間研究機関、グローバル・フィナンシャル・インテグリティーは推測する。しかし専門家によれば、このような数字はまだ氷山の一角に過ぎない。

スミス氏は、法案は「この野蛮な行為を止めるための第一歩だ。まずに中国から始め、その次に(臓器収奪の)世界的な推進者に歯止めをかける」

中国共産党の本性を暴く

中国の不透明な臓器移植業界では、毎年どれほど多くの人が殺されているのか分からない。2016年に発表された調査報告書では、中国の169の病院のベッド数、収益、移植能力などのデータを分析した結果、年間6万から10万件の移植を実施している可能性があるという。

法案の共同提案者である外交委員のマイケル・マッコール委員長も、公聴会で法案が成立すれば中国共産党の本性を暴くきっかけとなると強調。「米国が相手にしている国家がどのようなもので、(中国共産党が)いかに人命と人権を完全に軽視しているかを米国民に周知することができる」と述べた。

「中国共産党が行っているこの行為ほど、おぞましく、野蛮なものはない」「自身の意思に反して人を拘束し、時には麻酔をかけずに臓器を取り出し、それを何十万ドルもの値段で売りさばいている。絶対に許されることではない」

同様の法案は上院でも発表される見通し。前議会で上院の関連法案を主導したトム・コットン議員は、来週にもこの法案を再提出する予定だとエポックタイムズに明かした。

関連記事
中国の病院で臓器ドナーの確保を医師の査定基準とする動きが広がり、波紋を呼んでいる。献血やドナー提供が昇進に直結する異常な評価制度に、失踪事件への関与を危惧する市民からは「非人道的だ」と非難の声が上がる
ヘリテージ財団が7日、中共による強制臓器摘出をテーマとした討論会を開催。クリス・スミス議員は、中共による生体臓器摘出はすでに「工業的規模」に達しており「ナチスに匹敵する」と指摘した
米国の著名ジャーナリスト、ヤン・エキレック氏が「中共の生体臓器収奪問題」を暴露した『Killed to Order』はベストセラーリストにランクインした。本書のベストセラー化は、決して単純な出来事ではない
中国本土で臓器移植事業の全面調査と一時停止を求める署名活動が起き、3月26日時点で約800人が参加した。この署名活動を立ち上げた広州市民、高飛さんはその後、当局から事情聴取を求められ、ネット上の発信も相次いで封じられた
エポック・タイムズ上級編集者で、番組『米国の思想リーダーズ』の司会であるヤン・エキレック氏が執筆した『受注に応じた殺人:中国の臓器収奪産業と米国最大の敵の実像』が米紙ニューヨーク・タイムズのハードカバー・ノンフィクション部門ベストセラーにランクインした