2017年6月30日、北京で行われたプロモーションイベントで展示された米国と中国の国旗(Fred Dufour/AFP via Getty Images)

米中競争は礼節ある試合ではない 「存亡をかけた決闘」を覚悟せよ

「これは礼節あるテニスの試合ではない。21世紀の生活がどうなるかという存亡をかけた闘いだ。最も基本的な自由が危機にさらされている」

中国との戦略的競争について、先月28日に開かれた米国の下院特別委員会による初の公聴会の冒頭、委員長のマイク・ギャラガー議員(共和党)はそう表現して米国と人類が直面する危機感をあらわにした。

中共という「毒蛇」に噛まれるな

中国の脅威に取り組むために立ち上げられた同特別委員会による公聴会は、開催時間を恒例の昼ではなく、あえてテレビ視聴率の最も高い夜7時に設定した。

委員会メンバーは中国の脅威がいかに差し迫るものであるか、また中国との「選択的な切り離し(Selectively Decouple)」であるデカップリングをすべき理由を説明し、米国民の納得を得られるよう努めた。

共和党と民主党、いずれも中国共産党(中共)に対する強硬姿勢という点では一致している。

幸いにも、米国人はついに覚醒したようだ。米中間の競争が「フェアなスポーツの試合」などではなく、世界の未来を直接的に左右する「人類の命運をかけた戦い」であることに気づいたのである。

これ以上、中共とくっついていては、米国といえども、その悪魔の手の中で滅びかねない。過去数十年の歴史を振り返ると、これはまさに「イソップ寓話」の「農夫と蛇」の現実版と言えるのではないだろうか。西側諸国は中国共産党という毒蛇を殺さずに助けたが、今はその毒蛇に噛みつかれ、殺されかけているのだ。

第二次世界大戦後、ソ連の脅威を痛感した西側は、共産主義の世界的浸透を食い止め、最終的にはソ連と東欧の社会主義体制を解体させて世界に平和と繁栄をもたらした。

しかし、今日の中国共産党は、かつてのソ連とは比較にならないほど手ごわい。その経済力や影響力をはじめ、西側への浸透工作など、何もかもソ連以上なのである。そのうえ、中共はソ連の失敗から多くを学び、いっそう狡猾になってしまった。

今こそ「滅共時代」の幕開け

これまで「ならず者」である中国共産党に対する米国人の考え方は、確かに甘すぎた。

米国人は、自分たちこそ「民主主義の模範」だと思うあまり、中国共産党との付き合いにおいても、努めて紳士的な振る舞いをしてきた。だが、中共のようなゴロツキ政権を相手にする場合、こちらが紳士であればあるほど悲惨な結果が待っているのは言うまでもない。

公聴会から一夜明けた今月1日、米下院外交委員会は、中国系短編動画投稿アプリ「TikTokティックトック)」の米国での利用を禁じる法案を賛成多数で可決した。

法案成立には上下両院が本会議で可決後、バイデン大統領の署名が必要となるが、ここまで来れば、民間も含めた「全面禁止」も時間の問題である。

今回の公聴会を通じて、米国民は中国共産党による切迫した脅威を身に染みて感じたことだろう。

今後、米議会では一連の対中政策や規制が導入されるはずだ。まさに「滅共時代」の幕開けと言っても過言ではない。

それは人類の未来をかけた、正邪の戦いである。私たち一人ひとりが、その中で正しい選択をしなければならない。

 (翻訳編集・李凌)

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