ベラルーシ政府、ルカシェンコ氏の写真公開
[ロンドン 15日 ロイター] – 体調悪化の可能性が報じられているベラルーシのルカシェンコ大統領(68)について、ベラルーシ国営ニュースチャンネルは15日、ルカシェンコ氏が軍司令部を訪問した際に撮影されたとする写真を公表した。
ルカシェンコ大統領の日々の活動を伝える「プール・ペールヴォヴォ」テレグラム・チャンネルは、ルカシェンコ氏は中央空軍の司令部で執務を行っていると伝えた。公開された写真では同氏は左手に包帯を巻いているように見える。
ルカシェンコ氏は今月9日、ロシアの首都モスクワで開かれた対ドイツ戦勝記念日のイベントに出席したが、疲れた様子で足元がややふらつき、右手に包帯が巻かれているのが見られたほか、プーチン大統領主催の昼食会も欠席した。その後、14日にベラルーシの首都ミンスクで開かれた式典も欠席。野党系のユーロラジオは、ルカシェンコ氏が13日にミンスクにある診療所に搬送されたと報じている。
航空機の飛行追跡データによると、週末の間にロシア政府の特別機がミンスクを出入りしていた。誰が搭乗していたかは明らかになっていない。
ウクライナ軍情報機関のアンドリー・ユソフ報道官は、ウクライナはルカシェンコ氏の健康問題に関する情報を把握していると述べたが、さまざまな理由からコメントは差し控えるとしている。
ベラルーシの反体制派指導者で現在は国外に脱出しているスベトラーナ・チハノフスカヤ氏は15日、支持者に対するメッセージとして、ルカシェンコ大統領の健康問題が浮上する中、ベラルーシの民主化に向けあらゆる機会をつかむ用意ができているとツイッターに投稿した。
チハノフスカヤ氏の投稿の直後に、プール・ペールヴォヴォはルカシェンコ大統領の写真を公表。チハノフスカヤ氏のアドバイザーを務めるフラナク・ビアコルカ氏は14日、 反体制派は「何らかの事態」が発生したときのために「民主勢力」との共同行動計画を作成していると述べた。ただ詳細については明らかにしていない。
ルカシェンコ氏は1994年に大統領に就任した。