フランスのマクロン大統領は19日、同国やベルギーなど欧州連合(EU)加盟5カ国が仏製防空システム「ミストラル」の共同調達に関する合意文書に署名したと明らかにした。写真は、ミストラルを操作するフランス軍兵士。2020年10月8日にパリ近郊のベルサイユで撮影。(2023年 ロイター/Benoit Tessier)

仏などEU5カ国、防空システム共同調達 独主導けん制

[パリ 19日 ロイター] – フランスのマクロン大統領は19日、同国やベルギーなど欧州連合(EU)加盟5カ国が仏製防空システム「ミストラル」の共同調達に関する合意文書に署名したと明らかにした。フランスは独主導の調達の枠組みに代わる欧州製システムを検討するようEU加盟国に働きかけていた。

ドイツは昨年10月に北大西洋条約機構(NATO)加盟の14カ国と「欧州スカイシールド」の枠組みを発足。米国製とイスラエル製の防空システムを一部採用し、英国や東欧の主要国など約17カ国が参加している。

マクロン氏はパリ国際航空ショーに合わせて開いた約20カ国の防衛会合で、ロシアの侵攻を受けるウクライナに供給できるのは「われわれが所有、製造するものだけと示された。欧州以外から調達すれば管理が難しくなり、日程表や優先順位、時には第三国の承認に左右されることになる」と強調した。

関係筋によると、ドイツのピストリウス国防相は同じ会合でスカイシールド・イニシアチブの必要性を強く訴えたという。

独国防省の報道官はドイツとフランスの調達計画が競合しているとの見方を否定。スカイシールドは「NATOあるいはEUの競合相手ではない。調達品は全て既存の構造に組み込むことができる」と強調した。

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