毎日2つを食べると、がんリスクを45%下げるある食べ物とは
アレクサンダー・フレミング(Alexander Fleming)氏がペニシリン(薬用真菌)を発見して以来、科学者たちは、「キノコは良い薬である」ことに気づきました。この事は古代アジアの文化の中ではよく知られていたことでした。
キノコはピザや炒め物に風味を添えるだけだと思っているのなら、キノコの最大のメリットを逃しています。アジア文化の中でキノコが最もよく知られている驚くべき用途の一つは薬用です。「真菌良薬」と呼ばれるキノコは、さまざまなキノコの抽出物やキノコ粉末も含み独特の天然の薬品なのです。
キノコが癌を殺す3つの方法
研究によると、薬用真菌には次のような作用があることが分かっています。
1.アポトーシスの誘導
がん細胞の死を誘導することができます。
2.オートファジーの調節
オートファジーとは、細胞を分解したり、また細胞質内にある古い、損傷した、または異常なタンパク質やその他の物質を破壊するプロセスを指します。
3.血管新生の抑制
腫瘍の成長と転移に必要な新しい血管の形成を抑制します。
さらに、キノコ、この菌類の良薬が、いかにして効果的に多剤耐性を逆転するかについての研究が進行中です。多剤耐性は、現在の伝統的な癌治療が失敗する最も重要な理由の一つです。
免疫システムを強化する4つの重要な栄養素
キノコのコレステロール含有量はゼロです。また低脂肪、低糖、低ナトリウム、低カロリーで、グルテンも含まれていません。しかし健康メリットがこれだけだと思うならば、キノコの健康メリットを過小評価しています。
酸化ストレスは、癌、心臓病、認知症3つの致命的な慢性疾患の元凶とされています。これらの壊滅的な病気に対する身体の最善の防御機能である抗酸化物質が年齢とともに減少することはよく知られています。体はいくつかの抗酸化物質を生成しますが、食物からの摂取に大きく依存しています。
キノコには4つの重要な栄養素が含まれており、それぞれが病気と戦う強力な抗酸化物質であり、ここぞという時に体の免疫システムを高める驚くべき能力を備えています。
エルゴチオネイン(Ergothioneine):
このアミノ酸はタンパク質の構成要素であり、主に自然界では菌類によって生成されます。私たち人間はエルゴチオネインを作ることはできませんが、食事から摂取することができます。中国の研究者は7つの異なる研究を分析し、
キノコ1グラム(1グラムは小さじ 4 分の 1 に相当)は乳がんになるリスクを数パーセント減少させることができることを発見しました。
グルタチオン:
キノコはグルタチオンの豊富な源とされ、すべての抗酸化物質の母と呼ばれています。食事と代替医学の提唱者アン・ルイーズ・ギットマン(Ann Louise Gittleman)氏が言うように、「グルタチオンは常駐の便利屋のようなもので、フリーラジカルによる損傷をその場で修復し、毒素とその損傷を除去します」
セレン:
セレンは、過剰なフリーラジカルを中和し、酸化ストレスによって引き起こされる損傷から細胞を保護することにより、酸化ストレスを軽減します。
ビタミンD:
ビタミンDは多方面の健康を維持する鍵であり、免疫システムの増強とより良い骨格を構築する能力を含み、またビタミンDは特定のがんを予防することもできます。
どのようなキノコを食べるべきか
アジアでは100種類以上のキノコが、がん治療に使われています。試験した13種類のキノコの中で、「ポルチーニ」は麦角とグルタチオンの濃度が最も高く、黄色のヒラタケにも大量のエルゴチオネインが含まれていました。研究者らは、シイタケ、マイタケ、ヒラタケには、一般的な白いマッシュルーム、クレミニ(cremini)、ポータベロ(portabello)よりも高レベルのエルゴチオネインが含まれていることを発見しました。
霊芝(レイシ)などもアジアで数世紀以来使用された、100種の薬用キノコ品種の一つです。これらのキノコには、がん細胞の増殖を阻害する多糖ペプチドと呼ばれる化合物が含まれていることが研究によって示されています。
霊芝は長寿に関連していると考えられています。がん予防や腫瘍の成長を遅らせるために最も広く使われているキノコです。
シイタケには、胃がん治療の生体反応調整剤として日本で承認されている有効成分レンチナンが含まれています。
マイタケには最高レベルのグルタチオンを含むことがわかっています。
クレミニマッシュルームは乳がん予防に役立つことが知られています。これらには、エストロゲンの生成を促進する酵素であるアロマターゼを阻害するアロマターゼ阻害剤が豊富に含まれています。
では、ほとんどの食料品店でよく見かける白いマッシュルームはどうでしょうか?これらの人気のキノコは前立腺がんの進行を遅らせることができるという良いニュースもあります。現在それらがどのように前立腺がんの進行を遅らせるかを研究しています。
あなたの食事に、どんな種類のキノコを加えても最適です。研究によると、毎日2つのキノコを食べるだけでがんのリスクを45%下げることが明らかになりました。サラダ、オムレツ、炒め物、自家製ピザなどなんでも、好きな料理を作るときキノコを加えましょう。
著者:ジェームズ・テンプルトン(James Templeton)氏は1992年にUni Key Health Systems、現在のテンプルトン健康財団(Templeton Wellness Foundation)を設立し、人の健康と健康増進を達成できるよう支援しています。
〈本文は最初にダンプトン健康財団のブログに発表され、英文「エポックタイムズ」の翻訳と転載を許可されました。英文報道は以下を参照:Making the Most of Medicinal Mushrooms〉