ご存知ですか? タマネギの6種類の薬用処方
タマネギは調理に広く使われるだけでなく、人体の健康にも多くのメリットがあるとされています。伝統的な漢方医はタマネギを食事療法薬材と見なし、英国のベテラン漢方医・舒栄氏はタマネギの食事療法メニューを提供しています。
タマネギはビタミンC、ビタミンB6、葉酸、セルロース及びカリウムなどのミネラルを豊富に含み、硫化物も豊富に含み、抗酸化及び抗炎症作用を有します。
舒栄氏によると、有名な事例として、風邪を引くことが多い患者で、症状がくしゃみ、鼻水、全身の寒気である場合、タマネギの水を飲んだり、タマネギ料理を食べたりすると、回復したといいます。
もう一人の心臓病を患っている90歳の老人は、よく酢と一緒に焼いた玉ねぎを前菜、和え物、玉ねぎの肉炒めにしたところ、健康診断で血圧、血脂、血糖が正常であることを発見しました。
タマネギの漢方薬学的価値
なぜタマネギにはこのような効果があるのでしょうか。伝統的な漢方医はタマネギを温性(冷えを改善し体を温める)と考えます。中国医学では、異なる味が異なる臓器を支えると考えています。
辛いと酸っぱい食べ物は肝臓を助け、甘い食べ物は脾と胃が好むものです。そのため、玉ねぎは肝臓や脾に関連する疾患の治療に効果があるとされています。
1.食欲アップ
食欲のない人には、炒め物に玉ねぎを加えると食欲が出て、脾臓が強くなり、食欲が増します。タマネギの酢漬けも食欲をそそる前菜です。作り方は玉ねぎを2~6つに切り、缶に入れ、米酢を玉ねぎが浸かる高さまで加えて約2~4日置くだけです。夏なら1〜2日で食べられるようになります。
2.化痰解三高
漢方医は脾臓が悪いと痰が出ると言われ、漢方で痰は体にとって「不要」であり、血脂、コレステロールなどを含みます。漢方医がいう脾臓は、現代医学が言う脾臓だけでなく、より機能的な概念をあらわしています。
タマネギをよく食べることで脾臓の健康回復を助け、痰を取り除くことができます。また、血中脂質、コレステロールなどの悪い物質が代謝されると、血液がきれいになり、三高(高血圧、高血糖、高血中脂質)問題を減らすことができるのです。
3.滴虫性膣炎
例えば、性生活によるトリコモナスは、女性の膣を炎症させ、その症状は白いおりものが増加し、ズボンの底に緑、黄色の染みが現れ、悪臭があり、いくつかの泡が出現します。
新鮮なタマネギ1/4、同じ割合の新鮮なセロリを使い、混ぜてから汁を搾ります。更にお酢を2滴加えて、清潔な綿に汁を染み込ませた後に、寝る前に腟に詰めて、翌朝取り出します。それを1週間連続することで、膣炎は治癒することができるようです。男性は生殖器官の表面に塗るのがよいそうです。
4.子供の回虫症
また子供の回虫症の問題は、タマネギを小さく切って(10g)、塩を加えず、5ミリリットルの油を使い、柔らかく茶色になるまで炒めます。それを3日間連続して、毎朝、空腹時に子供に小さじ1を食べさせて、2時間待ってから食事をすると、腸の中の回虫を取り除くことができるそうです。
5.流産を防ぐ
女性は胎児が不安定であるか、出産後にめまいや血虚が生じやすく、タマネギや「もち米」で粥を炊くとよいでしょう。タマネギ120グラムと「もち米」100グラムを用意し、もち米を素早く火が通るまで煮てから、小さく刻んだタマネギを加え、煮崩れするまで煮て、塩を加えて味を調えて食べるのがよいです。
6.赤痢の治療
たまねぎ30グラムを用意し、つぶした後に汁を取り、お湯と砂糖を少し加え、1日に3~4回飲み、赤痢がなくなるまで飲むと、通常1~3日で回復します。
また、タマネギは傷を治療し、傷の治癒、炎症の軽減、風邪の治療、睡眠と腸を潤して便秘を取り除く作用があるそうです。
タマネギの食事療法
タマネギには上記の効能のほか、舒栄氏によると、タマネギを使った食事療法メニューも、さまざまな効果があるといいます。
タマネギは牛肉との組み合わせに適しており、2つの食材には脾臓と胃を強化する作用があります。例えばタマネギと牛肉の炒め物、またはタマネギと牛肉の煮込みスープなどがあります。
オニオンダックという料理は特別な組み合わせです。漢方医は食べ物には寒、熱、温、涼の属性があり、温性食品は体を温めることができ、寒性食品は体を冷やすことができると考えています。タマネギは温性、アヒルは寒性で、両者の組み合わせは互いに中和することができます。
タマネギには利水作用があり、水分の排出を助けることができるので、目、足の浮腫を解消することができます。また、タマネギは水を主管する器官である腎臓を助け、慢性腎炎、小便に問題がある方にも適しています。オニオンダックには男性の性機能を高める役割もあります。
玉ねぎは前菜にも向いています。夏は暑くて、ほとんどの人は冷たい料理が好きでしょう。料理に玉ねぎを加え一緒に食べると殺菌効果があります。また、野菜は冷性、タマネギは温性が多く、両者を混合すると中和作用があります。
タマネギが苦手な人
白、黄色、紫の玉ねぎが市販されていますが、どのように選べばいいのでしょうか。舒栄氏によると、色が濃くなるほど効果が大きくなり、味や辛さも強くなり、自分の体の状況に合わせて適切な玉ねぎを選ぶことがポイントだといいます。
タマネギを保存する方法は、冷蔵庫に置く必要はなく、日陰の風通しのよい場所に置くとよいそうです。発芽しても食べることができ、栄養価が少し劣る程度です。タマネギは美味しく、薬用価値もたくさんありますが、やはり副作用もあります。
舒栄氏によると、タマネギはすべての人に適しているわけではないといいます。タマネギを食べすぎると昏睡状態になり、記憶力に影響を与え、意識がはっきりしなくなる人もいます。またタマネギで目が赤くなったり、傷んだり、また乾燥しすぎて、血管を傷つけることもあります。
そのため、舒栄氏は、人によって体調が異なり、自分の体を観察し、食べた後に気分がいいかどうかを見なければならないと注意しています。
では、タマネギを食べるのに向いていない人はどんな人でしょうか。
舒栄氏によると、熱性体質者は食べてはいけないといいます。熱性体質の人は、顔が赤かったり、体が乾燥して熱かったり、口臭がしたり、暗い瘡(できもの)ができ、目が赤くなって目やにがあるなどの人で、このような人はタマネギを食べるのに適していません。
また、湿疹、乾癬、じんましんなどの皮膚病患者、体臭がする人、虫歯の人は、タマネギを食べると病状が重くなり、食べるべきではありません。もし以前にこれらの病気になった人がいたら、タマネギを食べることで持病が再発する可能性もあります。
生のタマネギは味が濃く、食べると口臭がします。舒栄氏は食事の途中で生のタマネギを食べることもできるし、食後に濃いお茶で口をすすいだり、若い茶葉を噛んだりして口臭を緩和することもできるとアドバイスしています。