中国経済の疑問 金融崩壊は一体いつ訪れるのか(1)
過去20年間、経済学者たちは何度となく「中国の金融危機が一触即発である」との予言を立ててきた。西洋の経済学に基づく経済指標の計算によれば、中国の金融システムはすでに崩壊していると示唆されている。しかし実際には、中国で広範囲にわたる明らかな金融危機が爆発することはなかった。これは一体、何を意味するのだろうか?
この問いについて、西洋の経済学界も混乱している。中国共産党(中共)政府はどのようにして、これほどまでに混乱した金融システムを持続させているのだろうか? 中国の金融終焉はいつ訪れるのだろうか?
市場経済国家である米国を例に取れば、金融危機は通常、預金者の取り付け騒ぎ、大量の銀行破産、不動産市場の崩壊と物価下落、株式市場の崩壊、そして産業の停滞による大量の失業を引き起こす。
銀行を例に取ると、銀行が破産する直接的な原因は預金者の取り付け騒ぎである。銀行の財務状況が良好であっても、騒ぎによって破産する可能性がある。最近では米国のシリコンバレー銀行が預金者の取り付け騒ぎにより急速に破産したが、実際にはシリコンバレー銀行の財務状況は破産するほど悪化していなかった。
その月には、シグネチャー銀行(Signature Bank)も破産し、その後、ファースト・リパブリック銀行(First Republic Bank)が危機に陥り、連邦預金保険公社(FDIC)に接収された後、JPモルガン・チェースに買収された。米財務省は、中小銀行が1929-1933年のような大規模な倒産を防ぐために、すべての預金者の資金を全額返済するという迅速な態度を示さざるを得なかった。
中国では、過去3年間に厳格な「ゼロコロナ」政策により、経済が急速に下降し、銀行の資産の質が悪化した。この事態はシリコンバレー銀行を遥かに凌駕するものであった。中国でも個々の銀行が破産する事例はあったが、現在のところ、連鎖的な銀行破産は起こっていない。
今日、なぜ中国の銀行が連鎖的な破綻を起こしていないのかを探る。
中国では、銀行の資金はほとんどが効率の低い国有企業に流れ込むか、地方政府の無計画な投資プロジェクトに大量に使われている。これが銀行の大量の不良債権を生み出している。一方、特権階級は自身の権力を利用して銀行の資金を私有化しており、これらの問題は正に中共の政治体制が生み出したものである。