軍事ジャーナリストの鍛冶俊樹氏は空自OBとして、移動式レーダーの離島配備の欠点を指摘した。写真はレーダーのイメージ図 (Photo by RICHARD A. BROOKS/AFP via Getty Images)

【寄稿】空自OBが語る 太平洋離島にレーダー新設することが致命的失敗である理由

移動式レーダーを固定式レーダーとして使用すれば、固定式レーダーと同様、真っ先に破壊されてしまい、有事の際のレーダー機能の維持が不可能になろう。レーダーの機能が失われれば、航空自衛隊は壊滅し、日本の制空権は敵に奪われよう。

「太平洋離島 レーダー新設」こんな見出しが7月25日に産経新聞の第一面に躍った。「警戒『空白地帯』解消」「防衛省検討 中国念頭に防空強化」との小見出しが続く。航空自衛隊のレーダー基地が太平洋には全くないので、移動式のレーダーを太平洋の北大東島に配備する計画を防衛省が検討している、と記事は伝える。

「背景には、太平洋への進出を活発化させている中国の存在があり、防空態勢の強化が急務になっている事情がある」と解説している。この記事を読んだ人は、「これは日本の防衛力を強化することだから、大いに結構」と得心するであろう。

▶ 続きを読む
関連記事
2026年度上半期の空自の緊急発進は442回で、前年同期比約67%増。中共機への対応が285回と最多を占める一方、ロシア機への対応は152回と約2.6倍に増えた。北部・西部でも対応が大幅に増加した
防衛省統合幕僚監部は10月14日、中共海軍の空母「遼寧」を含む艦艇計4隻が沖縄本島と宮古島の間を通過し、太平洋へ進出したと発表。石垣島の南約250キロの海域で「遼寧」から艦載戦闘機が発着艦する様子も確認された
小泉防衛相は10月14日の衆院予算委で、中共政府の「新型軍国主義」言説に「核兵器も戦略爆撃機も持っていない国に対し、いずれも持つ国がそう主張する」と指摘。中共政府の言説に「共感する国がいるのか」と疑問を呈した
小泉防衛相は10月13日の閣議後記者会見で、北朝鮮による弾道ミサイル発射の増加や、中国の軍事力増強、ロシアと中国の軍事連携の動きなどを挙げ、日本を取り巻く安全保障環境が「戦後最も厳しく複雑」になっているとの認識を示した。
防衛省は10月9日、「即応宇宙輸送能力」の調査研究開始を発表した。有事などで失われた衛星機能の迅速な回復を目指し、民間からロケットの製造・打ち上げ方法の提案を募る。安全保障と宇宙産業の接点となる一方、実用化の時期や予算規模は未定だ