これまで中国共産党は庶民にお金を稼ぐ機会を許してきた。そのかわりに中国人は政治的自由に関しては目をつぶっていた。しかし現在、失業が広がる中で、この暗黙の約束は、「安全」や「良好な生活」といったあいまいな約束に変わりつつある。画像は上海市外灘(JOHANNES EISELE/AFP/Getty Images)

共同富裕から失業率へ 中国共産党の社会契約は破綻している

これまで中国共産党(中共)は庶民にお金を稼ぐ機会を許してきた。そのかわりに中国人は政治的自由に関しては目をつぶっていた。しかし現在、失業が広がる中で、この暗黙の約束は、「安全」や「良好な生活」といったあいまいな約束に変わりつつある。

今年1月にラジオ・フリー・アジアに掲載された記事は、1989年の天安門事件以降、中共政府は概ね安定した生活を提供したが、代わりに人々は自らの政治的自由を放棄するという取引を中国人に強いたと指摘している。この社会契約、または取引の内容は時代によって異なる。

江沢民時代、当局と国民の間の不文律の合意は、中共が国民を金持ちにさせ、国民は中共の統治の正当性を認め、政治的自由を放棄するというものだった。胡錦濤時代の暗黙の取引は、政府は国民を苦しめず、国民は平穏な日常を送る。代わりに、国民は発言権や出版権、結社の自由などの政治的権利を持っているかどうか、あるいはどれだけ持つかは当局が決める。 

▶ 続きを読む
関連記事
ホルムズ海峡の緊張が続く中、中共当局は封鎖解除を強く求めている。背景には原油の大半を中東に依存する構造があり、米軍の封鎖強化で供給不安が現実味を帯びる。内需低迷も重なり、経済への打撃回避が急務となっている
4月の中国による米国からのエタン輸入量は80万トンに達する見込みで、過去最高を更新する。この数値は通常の平均水準を60%上回る
中国での販売不振を受け、日本第2位の自動車メーカー、本田技研工業は広州と武漢の2つのガソリン車工場を閉鎖し、中国における年間生産能力を72万台に削減する。
中国が「レアアース」を外交の武器とする戦略の限界を分析。その優位性は技術力ではなく、環境破壊や低賃金という犠牲の上に立つ危ういものだ。西側の供給網再構築が進む中、中国の地政学的脅迫は通用しなくなる
中国の2026年成長目標引き下げの裏側に迫る。不動産不況や人口減少、統計データの不透明さを専門家が鋭く分析。公式発表の「5%成長」という数字と、冷え込む民間経済の乖離から、中国経済の真の実態を浮き彫りにする