11月8日に公表された国連の報告書によると、2030年の世界の化石燃料生産量は、パリ協定で設定された気候変動目標の達成に合致する水準の2倍以上になる見込み。写真はイメージ。2022年3月撮影(2023年 ロイター/Dado Ruvic)

世界の化石燃料生産計画、気候変動目標を大幅に上回る=国連

[ロンドン 8日 ロイター] – 8日に公表された国連の報告書によると、2030年の世界の化石燃料生産量は、パリ協定で設定された気候変動目標の達成に合致する水準の2倍以上になる見込み。

国連環境計画(UNEP)などがまとめた報告書は主要な化石燃料生産国20カ国を分析した。それによると、30年の生産量は気温上昇を産業革命前から1.5度に抑える目標と一致する水準を約110%上回り、2度に抑えるための水準を69%上回る。

20カ国のうち気温上昇を1.5度に抑えるために石炭、石油、ガスの生産を削減すると約束した国はない。17カ国は温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「ネットゼロ」をうたっているが、ほとんどの国は化石燃料生産の促進、支援、拡大、補助金の支出を計画しているという。

調査対象となった20カ国は世界の化石燃料生産の82%、消費の73%を占めており、オーストラリア、中国、ノルウェー、カタール、英国、アラブ首長国連邦(UAE)、米国が含まれる。

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