19日のアルゼンチン大統領選決選投票で、右派でリバタリアン(自由至上主義者)のハビエル・ミレイ下院議員が勝利したことに対し、世界の首脳からは悲喜こもごもの反応が寄せられた。写真は大統領選勝利を受けて支持者に挨拶するミレイ氏で19日にブエノスアイレスで撮影(2023年 ロイター/Cristina Sille)

ミレイ氏のアルゼンチン大統領選勝利、世界指導者の反応は悲喜こもごも

[21日 ロイター] – 19日のアルゼンチン大統領選決選投票で、右派でリバタリアン(自由至上主義者)のハビエル・ミレイ下院議員が勝利したことに対し、世界の首脳からは悲喜こもごもの反応が寄せられた。中南米の左派指導者がミレイ氏に敵意を示した一方、ためらいがちに支持を表明する指導者もおり、中国はミレイ氏への協力姿勢を示した。

ミレイ氏は「無政府資本主義者」を自称し、経済危機に憤る有権者の心をつかんで勝利した。アルゼンチン政治は中道左派の現政権から大転換を迎える。

メキシコの左派大統領ロペスオブラドール氏は21日記者団に対し、ミレイ氏の勝利をアルゼンチンの「オウンゴール」だと揶揄(やゆ)し、同国のためにならないとの見方を示した。

ボリビアの左派、モラレス元大統領は同日ソーシャルメディアで「ファシズム、超保守主義、新自由主義の成功」は決して願わないと断言した。

ベネズエラとコロンビアの左派指導者らも、ミレイ氏の勝利を嘆いた。

一方、チリのボリッチ大統領とブラジルのルラ大統領はともに左派ながらミレイ氏に祝意を示した。ミレイ氏は選挙戦中にルラ氏について「怒った共産主義者」で腐敗しているとこきおろしたが、ルラ氏は19日、「民主主義とは民の声であり、常に尊重されなければならない」とソーシャルメディアに投稿した。

中南米以外の指導者は、ミレイ氏から友好姿勢を示されていなくても外交辞令を送った。同氏は過去にウクライナ戦争で同国を支持すると表明したが、ロシアのプーチン大統領は勝利に祝意を示した。

ミレイ氏陣営は選挙戦で何度か中国に批判的なコメントを行ったが、中国外務省の報道官は、中国はアルゼンチンと着実な関係を維持する構えだと述べた。

右派のポピュリスト政治家からは、ミレイ氏に熱烈な支持が寄せられた。トランプ前米大統領はビデオでミレイ氏に「アルゼンチンを再び偉大に」してほしいと呼びかけた。

同じく右派のボルソナロ・ブラジル前大統領はビデオで、こぶしを突き上げながら祝意を示した。

エルサルバドルのブケレ大統領はミュージカル「エビータ」の楽曲「アルゼンチンよ、泣かないで」に引っかけて「さあ、泣かずに言おう」とX(旧ツイッター)に投稿し、ミレイ氏の勝利に喜びを表した。

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